1-1
1 概要
1-1 はじめに
近年、可聴周波数以上の音響を始めとする超広帯域の計測データを記録/解析すると
いうニーズが各分野で飛躍的に高まっています。しかし、計測目的に対して必要か
つ十分な超広帯域の周波数特性を持ち、可搬性・耐振性・電源の融通性に富んだ
データレコーダは今まで市場での入手が容易ではありませんでした。
SIR-1000Wは、このようなニーズに応える世界最小・最軽量クラスの4 ch×160 kHz
×16 bit超広帯域・高速デジタルデータレコーダ(以下レコーダを呼びます)です。
ソニーが新しく開発したAIT技術を応用、カートリッジ1巻に4 ch×160 kHz分の計測
データをデジタルフォーマットで連続2時間記録します。
さらにチャンネル拡張ユニットSCX-16Wを接続することにより、カートリッジ1巻に
16 ch×40 kHz分の計測データを連続2時間記録でき、用途が一層広がります。
AIT (Advanced Intelligent Tape) 技術:
8 mmテープを用いた高速・大容量のストリーマ (コンピュータデータバックアップ)
新規格で、ソニーの高密度磁気記録技術を活かし、25 GB (非圧縮時) の記憶容量と
24 Mbpsのデータ転送レートを実現しています。
カセットは新開発のAME (Advanced Metal Evaporate) 蒸着テープを用い、出力・信頼
性・耐久性を一段と向上させるとともに、内蔵の16 kbitメモリ (MIC付カセット) に
TOC (Table of Contents) 情報やファイル位置情報を記憶させることにより、データの
検索やアクセスを短時間に行なうことができます。