296
JA
この規定圧を超えないように低圧カフを膨らませ、その後カニューレに十分に空気が流れ
ているか確認してください。低圧カフに損傷がないか、また問題なく機能しているか常に
注意してください。上記の限界ボリュームに到達するように数回試みても気管壁との間が
想定通り密にならない場合、直径が大きめのカニューレを使用する方が適切である場合が
あります。
カフ圧が正しいかどうか定期的(最低 2 時間ごと)に点検してください。
注意
カフを膨らませるのに使用する器具は、どれも清潔で異物がないようにしてください!器
具類はカフが膨らみ次第すぐにフィードホースのルアー接続部から引き抜いてください。
注意!
長期に渡り最大圧力を超過していると、粘膜の血行が阻害されることがあります (虚血性
壊死や圧迫潰瘍、気管軟化、気管狭窄および気胸の危険があります)。 人工呼吸を使用して
いる患者の場合は、不顕性誤嚥を防ぐためにも医師が規定したカフ圧を下回ることのない
ようにしてください。 バルーン領域で、とりわけ呼気時にシューという音が聞こえる場合
は気管が十分に密になっていません。 医師が規定した圧力値では気管が密封できない場合
は、バルーンの空気を完全に抜いてからもう一度ブロッキングのプロセスを行ってくださ
い。 それでもうまくいかない場合は、バルーンの付いた次に大きいサイズの気管カニュー
レを使用することをお勧めします。 バルーン壁からは多少ガスが漏れてしまうため、バル
ーンの圧力は原則的に時間が経つと下降しますが、ガス麻酔下では意図せず圧力が上昇す
ることがあります。 そのため定期的に圧力モニターを行うことを強くお勧めします。
カフを膨らませ過ぎると気管壁を傷つけたり、低圧カフが破れ空気が抜けたりカフが変形
する可能性があり、それにより気道がふさがることがありえるのでカフは決して膨らませ
過ぎないでください。
注意
麻酔中は亜酸化窒素(笑気ガス)によりカフ圧が上昇/ 下降することがあります。
2. カニューレの取り外し
注意
Fahl
®
気管カニューレを取り外す前に、気管切開孔バルブやHME (熱湿交換器) といった付
属品を最初に外してください。
注意
気管切開孔が不安定である場合、または緊急の場合(穿刺的気管切開、拡張気管切開)で
は、カニューレを引き抜くと気管切開孔がしぼみ(虚脱)空気供給に影響を及ぼすことが
あります。 この場合は直ちに新しいカニューレを使用できるよう準備し、装着しなくては
なりません。 一時的に空気供給を確保するため、気管開口器 (REF 35500) を使用すること
もできます。
気管カニューレを取り外す前に、必ずカフの空気を抜いてください。 また取り外しは頭を
軽く上に向けた状態で行ってください。
注意
低圧カフの空気は決してカフ圧計測器を使って抜かないでください。この手順は必ず注射
器を使い行ってください。
注射器でバルーンの空気を抜きカニューレを引き抜く前に、まずバルーンより上の気管領
域にある分泌物や痰を吸引してきれいにします。 意識がはっきりしていて反射運動のある
患者の場合は、気管カニューレのブロックを解除すると同時に吸引を行うことをお勧めし
ます。 吸引には吸引カテーテルをカニューレ管を通して気管へと挿入します。 それによ
りスムーズかつ患者に負担を与えずに吸引が行え、咳き込みや誤嚥の危険が最小限に抑え
られます。
それから吸引と同時に低圧カフの圧を抜いてください。
そうすることで分泌物があっても取り除かれ、誤嚥の可能性がなくなります。 カニューレ
を再度使用する前に必ず以下の指定に従い洗浄し、必要に応じて殺菌し気管孔オイルを塗
布し潤滑性を高めてください。
粘膜を傷つけないように十分注意してください。
カニューレを再度使用する前には必ず次の規定に従って洗浄し、場合によっては殺菌を行
うようにしてください。
Fahl
®
気管カニューレ取り外しのための使用ステップ
気管カニューレの取り外しは頭を軽く上に向けた状態で行います。 その際カニューレのサ
イドにあるカニューレシールドまたはケースを持ってください (図7を参照)。