150 | Ottobock
3R106, 3R106=KD, 3R106=ST, 3R106=HD
アライメント、足部の機能、断端の状態、装着者の活動度などにより膝継手の機能に違いがでます。
足部の重量と、下腿の長さは膝の振り出しと歩幅などに影響を及ぼします。
工場出荷時の各調節値は試歩行しやすい状態にセットされていますので初期設定のままで試歩行
を開始してください。
また、膝継手の調節機能を装着者に説明してください。
各種抵抗の調整を行って機能的に最適な調整値を見つけます。
以下の説明に従って調整してください。
4.3.2.1 継手の位置による立脚相の安定性
多軸膝継手は踵接地時において安定しています。
遊脚屈曲の開始は継手の位置、つまり、瞬間回転中心の位置により決まります。
立脚相の安定性が強過ぎる場合、
または遊脚相に移行しづらい場合、原因は瞬間回転中心の位置
が後方すぎることです。解決策として、膝継手を前に傾けて下さい。
逆に立脚相の安定性が弱過ぎる場合、原因は瞬間回転中心の位置が前方すぎることです。解決策と
して膝継手を後ろに傾けて下さい。
3R106=KDと3R106=ST
では、立脚相の安定性と屈曲のしやすさは、
ラミネーションアンカーのソケット
への取付け角度と位置によって決まってしまいますのでご注意ください。
4.3.2.2 遊脚相の調節
本製品では遊脚相制御に空圧シリンダーが使われており、この機構によってスムースな歩行が
できます。空圧シリンダーの抵抗により、踵の過度の跳ね上がりとターミナルインパクトを防止します。
工場出荷状態では伸展抵抗は最小に、屈曲抵抗は中間位にセットされています。
出荷時の設定では、伸展制動用のバルブネジ(図4-E)は最も緩められ(抵抗が最弱になるように設定
されています)、屈曲制動用のバルブネジ(図4-F)は2回転ずつ締めるようになっています。
最初に屈曲抵抗(F)の調整から行います。後方から見て左の(F)の調整ネジ(図4)を小さ目のマイ
ナスドライバーで回して最適化し、次に、伸展抵抗(E、後方から見て右の調節ネジ)を調整します。
最後に、試歩行を行いながら屈曲と伸展の抵抗のバランスを注意深く微調整します。
過度の踵の跳ね上がり : 屈曲抵抗を強める : (F)ネジを+方向に回す
踵の跳ね上がりの不足(健足と比較して) : 屈曲抵抗を弱める : (F)ネジを-方向に回す
ターミナルインパクトが出る : 伸展抵抗を強める : (E)ネジを+方向に回す
膝の振り出しが遅れる : 伸展抵抗を弱める : (E)ネジを-方向に回す
注意!
膝継手が必ず完全に伸展することを確認しながら、伸展抵抗の調整はわずかずつ慎重に
行ってください。
内蔵された伸展補助バネは膝継手の伸展を補助します。尚、伸展補助バネの強さ調節は
できません。
さまざまな歩行スピードでの遊脚相制御と歩容の調和が得られるように伸展抵抗と屈曲
抵抗を調節し、完全伸展ができるようにしてください。
注意 – 装着者にお知らせください!
膝継手は使用する環境やお手入れの状態により、その機能が損なわれるな場合がありま
す。危険をさけるため、明らかに機能上の変化が起きた時には本製品の使用を中止して
下さい。機能上の変化としては、反応が悪くなる、伸びきらない、遊脚期制御もしくは立脚
期安定性の低下、異常音などが挙げられます。
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