114101-02
page 18 of 92
取扱説明書
使用目的
STERRAD VELOCITY™ バイオロジカルインディケーターは、STERRAD VELOCITY™リーダーと組み合わせて、次のSTERRAD® 滅菌システムをモニタリング および定期的なテストをするための標準的な方法
として使用されます。
• STERRAD® 100NX(スタンダード、Flex、エクスプレスおよびDuoサイクル。ALLClear™テクノロジーの使用の有無を問わない)
• STERRAD NX® (スタンダードおよびアドバンスド サイクル。ALLClear™テクノロジーの使用の有無を問わない)
• STERRAD® 100S
基本情報
STERRAD VELOCITY™バイオロジカルインディケーター(以下BI)は、短時間バイオロジカルインディケーターで、過酸化水素を滅菌剤に用いたSTERRAD®滅菌サイクルをモニタリングおよび定期的なテス
トをするために設計されています。STERRAD VELOCITY™バイオロジカルインディケーターとSTERRAD VELOCITY™リーダー(以下リーダー)を組み合わせて使用することで、STERRAD®滅菌サイクルの有効
性を短時間かつ高い信頼度で検証することができます。STERRAD VELOCITY™ BIは、STERRAD®滅菌器でのみ使用可能です。
STERRAD VELOCITY™ BIには、100万個を超える
Geobacillus stearothermophilus [ATCC 7953] の芽胞が接種された芽胞ディスクが含まれています。この芽胞は、過
酸化水素低温プラズマ滅菌システムに対して最も抵抗性を示す微生物として知られています。BIには他にも、
G. stearothermophilusの増殖を促すための、液体培地
入りガラスアンプルが含まれます。これらが、通気キャップ付きの透明なプラスチック製バイアルに収められています。このキャップには滅菌剤の通気孔があり、滅菌
処理時には滅菌剤がこの 通気孔からバイアルに入り、リーダーでの読み取りのためアンプルを割り活性化した際には通気孔が密閉されるようになっています。キャ
ップ上面のケミカルインディケーター(CI)は、過酸化水素に曝露すると、赤色またはピンク色から黄色に変色します。BIの内部構造や各種パーツを示す断面模型図を
図1に示します。
α-
グルコシダーゼ酵素は
G. stearothermophilusの増殖時に生成され、芽胞の発芽時に放出されます。活性状態の
α-
グルコシダーゼ酵素は、非蛍光性基質4-メチル
ウンベリフェリル
α-
D-グルコシド(MUG)の酵素加水分解により生じる蛍光発光を測定することで検出されます。その結果として生じる蛍光性副生成物4-メチルウン
ベリフェロン(MU)をリーダーが検出します。この蛍光信号を利用して、BIで陽性と陰性の判定を行います。
リーダーを使えない場合は、
G. stearothermophilusの芽胞の発育の有無を視覚的に確認することもできます(下記「目視判定(オプション)」の項をご覧ください)。 生
残した芽胞が生成する物質が培地中の化学物質と反応して、液色が紫色から黄色に変化します。この検出方法はオプションで、日常的に使用するものではありません。
この方法で判定する場合は、BIをインキュベーターに入れ、55~60°C (131~140°F)で5~7日間培養しなければ判定結果が得られません。
読み取り時間
リーダーはSTERRAD VELOCITY™ BIを自動的に読み取って、芽胞由来の蛍光発光から30分以内に結果(陽性か陰性か)を判定します。
注意事項
• 事故を防ぐため、過酸化水素に曝露したBIを取り扱う際には、適切な個人用保護具(耐薬品性のラテックス、ポリ塩化ビニル、またはニトリルの手袋)を着用してください。詳しくは、手袋の製造業者の取
扱説明書をご参照ください。
• 滅菌サイクルでアンプルが割れた場合、BIの試験結果は無効になります。新しいBIを使って次の被滅菌物を滅菌処理してください。
• もしBIを被滅菌物に固定するためにテープを貼る際は、5~10cm(2 ~4インチ)に切ったSTERRAD® SEALSURE®テープ以外は使用しないでください。他のテープは蛍光性を有することがあり、蛍光発光
の検出に干渉して不適切な結果に繋がることがあります。
• 滅菌サイクルの実施中は、BIを被滅菌物と一緒にパウチに入れないでください。
• STERRAD®滅菌システムで処理を行う前に、BIのキャップにテープやラベルを貼り付けないでください。テープが滅菌剤の通気孔を塞いでしまい、不適切な結果に繋がります。
• BIをリーダーにセットする前に、増殖容器からテープを全て取り除いてください。テープが蛍光発光の検出を阻害し、不適切な結果に繋がります。
• STERRAD VELOCITY™ BIを、使用目的に記載されている滅菌サイクル以外で使用しないでください。
• BIは割れやすいので、取り扱いに注意してください。
• 増殖容器が培地で満たされており、大きな気泡がないことを確認してください。
•
BIは単回使用品です。再使用できません。サイクルがキャンセルされた場合、サイクルの再始動時に新しいBIを使用してください。
• バーコードや滅菌剤の通気孔に印を付けないでください。バーコードに印をつけると、バーコードリーダーのデータの読み取りに干渉することがあります。通気孔に印をつけるとラベルの素材に穴が開
くことがあります。
• パッケージに記載された使用期限を過ぎたSTERRAD VELOCITY™ BIは使用しないでください。
陽性コントロールBIの使用方法
陽性コントロールは、滅菌処理を行わずにアンプルを割り活性化してSTERRAD VELOCITY™リーダーで読み取りを行うSTERRAD VELOCITY™ BIのことです。陽性コントロールを使うことで、BIとリーダーが正
常に機能していることを確認できます。
1. 判定用BIと同じロットから陽性コントロールのBIを一つ選んでください。
2. 陽性コントロールを点検し、培地が紫色で、アンプルが無傷で、キャップのCIが赤色またはピンク色で、芽胞ディスクが増殖容器の底で水平になっていることを確かめてください。
注:
キャップのラベルには、滅菌器のID、被滅菌物IDおよび日付を記録するためのスペースがあります。
3. リーダーのタッチスクリーン上の、使用可能なウェルを示す番号にタッチしてください。
4. 追加するBIの種類の問いに対しては、
「コントロール」をタッチしてください。
5. リーダー前部のバーコードスキャナーを使ってキャップラベルのバーコードをスキャンしてください。
6. 表示されたスペースに作業者の名前を入力するか、作業者の名前をリストから選択してください。
7. リーダーに入れる前にBIを活性化してください。活性化するには、ガラスアンプルが割れるまでキャップをしっかり押し込み、アンプルが割れたことを目視で確認してください。BIを素
早く振って必ず液体を増殖容器に流し込んでください(図2参照)。この手順を正しく行わないと、読み取りを正確に行えません。
8. 先ほど選択したリーダーのウェルにコントロールのBIを入れてください。結果は、30分以内に確認できます。
検査用BIの使用方法
検査用BIは、STERRAD®滅菌サイクルで滅菌処理を行ったBIのことです。
1. 検査用BIを点検して、培地が紫色で、アンプルが無傷で、キャップのCIが赤色またはピンク色で、芽胞ディスクが増殖容器の底で水平になっていることを確かめてください。
注:
テープやラベルを滅菌前のBIのキャップに貼り付けたり、読み取り前の増殖容器に貼り付けたりしないでください。
注:
キャップのラベルには、滅菌器のID、被滅菌物IDおよび日付を記録するためのスペースがあります。
2. STERRAD®滅菌器にスキャナーが付いている場合は、BIのキャップラベルのバーコードをスキャンしてください。
3. STERRAD NX®またはSTERRAD® 100NXを使う場合は、滅菌チャンバーの下段の奥にBIを置いてください。
STERRAD® 100Sを使う場合は、滅菌チャンバーの下段の手前にBIを置いてください。
ja
REF
43210
STERRAD
VELOCITY
™
Biological Indicator
®
ラベル付き
BIキャップ
バイアル
増殖容器
ケミカル
インディ
ケーター
滅菌剤の
通気孔
培地アン
プル
インサ
ート
芽胞ディ
スク
図1:
STERRAD VELOCITY™バイオロ
ジカルインディケーター
図2:
BIを振って液体
を増殖容器に流し
込んでください。
WARNING: This is a controlled proprietary and confidential document. Verify revision is current prior to use.
State: Released; Released Date: 3/6/2019 12:02:15 AM Eastern Standard Time