![Atos Medical Provox Vega XtraSeal Clinician Manual Download Page 111](http://html.mh-extra.com/html/atos-medical/provox-vega-xtraseal/provox-vega-xtraseal_clinician-manual_3004912111.webp)
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新しいプロテーゼをシャントに挿入する:オーバーシュ
ーティング
1. シャント孔の位置を探る
装填チューブを持ってインサーターを保持します。装填チ
ューブ先端をゆっくりと挿入します。装填チューブを挿入
する際に抵抗を感じた場合、慎重に押し進めて下さい。こ
のような場合、シャント孔を拡張するか潤滑剤を塗布すれ
ば楽に挿入できます。
2. プロテーゼの挿入
装填チューブを動かないようにこの位置に保持し、もう一
方の手でスマートインサーターに挿入ピンを完全に挿入し
てください(図3.4)。ガイドが装填チューブ内に押し込
まれることで、挿入ピンが装填チューブ内にさらに進めら
れ、プロヴォックスVega エクストラシールは完全に食道
内で開放されます。
3. プロテーゼを引き出す
シャント孔から装填チューブを引き抜きます(図3.5)。
プロテーゼの気管側フランジを無鈎鉗子で把持し、プロヴ
ォックスVega エクストラシール をシャント孔に引き戻し
ます(図3.6)。
4. 留置状態の適正確認
プロテーゼと全てのフランジが正しい位置にあることを、
シャント孔の中でプロテーゼを回転させたり、前後に動か
したりしながら確認してください。気管側フランジを軽く
引いて、ボイスプロテーゼが適切に保持されていることを
確認してください(図3.7)。
注意:両方の食道側フランジが食道管腔内に完全に入って
いることを確認してください。ボイスプロテーゼのシャフ
ト沿いに拡張食道側フランジが一部でも見えていてはいけ
ません。またボイスプロテーゼを回転させた時にはスムー
ズに動くことを確認してください。ボイスプロテーゼを回
転させ、同時に食道側に少し押すことで、拡張フランジを
完全に開くことができます。不確かな場合は、軟性内視鏡
を用いて食道内に適切に留置できていることを確認してく
ださい。
5. 適切に機能するかを確認
患者に話をしてもらい(図3.8)、ついで水を飲んでいる
ときのプロテーゼを観察して、プロテーゼが適切に機能し
ているかを確認して下さい(図3.9)。
6. セーフティーストラップをハサミで切断
プロテーゼが適切に位置していることを確認できたら、気
管側フランジの楕円形の先端を下側に向け、フランジ外縁
でハサミを使ってセイフティーストラップを切断してくだ
さい(図3.10)。これで、ボイスプロテーゼが使えるように
なります。
2.3プロヴォックススマートインサーター
の再装填
(図4.1–4.6)
プロヴォックスVegaエクストラシールをシャント孔へ初めて挿入
し、挿入に失敗した場合、スマートインサーターにプロヴォックス
Vegaエクストラシールを再装填することができます。
注意: インサーターに 2 回以上再装填しないでください。
プロヴォックスVegaエクストラシールボイスプロテーゼに何らか
の破損が認められたら、そのプロテーゼは使わないでください。
1. プ ロ テ ー ゼ が 安 全 に 挿 入 ピ ン に 取 り 付 け ら れ て い
る か を 確 認 し て く だ さ い 。 安 全 に 取 り 付 け ら れ
て い な い 場 合 、 挿 入 ピ ン の 取 り 付 け 孔 に セ ー フ
テ ィ ー ス ト ラ ッ プ を 通 し 、 挿 入 ピ ン に セ ー フ テ
ィ ー ス ト ラ ッ プ を し っ か り 取 り 付 け て く だ さ い
(図4.1)。
2. 気 管 側 を 下 に し て プ ロ ヴ ォ ッ ク ス V e g a
を 挿 入 ピ ン の 上 部 先 端 に 取 り 付 け ま す
(図4.2)。親指を使いプロテーゼが正しい位置に入った
か確認してください。
3. 折りたたみ器具およびガイドが、上部ガイド位置に取り付
けられていることを確認してください。取り付けられてい
ない場合は、ガイドに折りたたみ器具を再度取り付けてく
ださい (図4.3)。ガイドの底部に折りたたみ器具を押し込ま
ないでください。
4. カチッと音が聞こえるまで、プロテーゼが取り付けられた
挿入ピンを折りたたみ器具に慎重に引き入れます(図4.4
)。これで、プロテーゼの食道側フランジは、折りたたみ
器具と同じ位置になります。
5. 拡張食道側フランジは、折りたたみ器具の先端のカーブの
下側に、手動で配置する必要があります(図4.5)。
注:この手順を行わない場合、ボイスプロテーゼを予め装
填するために余分な力が必要となり、ボイスプロテーゼが
破損することがあります。
6. 折りたたみ器具・ガイドの上部先端に装填チューブを取り
付け(図4.6)、2 つの部品をはめ合わせます。
これでプロヴォックスVegaエクストラシールボイスプロテーゼ
は挿入可能な状態となり、「意図的にオーバーシューティングさ
せる前方交換法」の項に記載のとおり使用できます。
3. 重要な患者情報
3.1 基本情報
下記事象が認められる場合、担当医に連絡することを患者に周
知徹底して下さい。
• プロテーゼまたはその周囲から漏れが生じる(咳および/
あるいは粘液色の変化)。
• 発声しにくくなる(力まなければ声が出なくなる、、また
は緊張がかった声)。
• シャントまたは開口部に、炎症または組織変化といった兆
候が認められる(痛み、発赤、発熱、腫れ、ブラッシング
後のブラシの血痕)。
また、患者に以下のことを伝えて下さい。
• プロテーゼの交換後、痰に血痕が認められることがありま
す。これはシャント縁の肉芽組織からの出血です。