technical notice -
TOP / TOP CROLL-1
c815010e (051113)
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JP
図に示された使用方法の中で、×印やドクロマーク、
「NO!」 の文字
が付いていないものだけが認められています。間違った使用方法
の例もいくつか挙げていますが、全ての間違った方法をここに記す
のは不可能です。定期的にウェブサイト(www.petzl.com)で最新
の技術情報を確認してください。
疑問点や不明な点は(株)アルテリア(TEL04-2968-3733)にご相談
ください。
1.用途
PPE(個人保護用具)
チェストハーネス TOP 及び TOP CROLL は、フォールアレストシス
テムを構成する用具の一つです。単体で使用することはできませ
ん。チェストハーネス TOP 及び TOP CROLL は、併用が認められ
たシットハーネス(「適合性」を参照ください)と組み合わせること
により、CE EN 361:2002に適合したフルボディハーネスにするこ
とができます。
製品の破断強度以上の荷重をかける使用や、本来の用途以外での
使用は絶対に避けてください。
警告
この製品を使用する高所での活動には危険が伴います。
ユーザー各自が自身の行為、判断についてその責任を負うこ
ととします。
使用する前に必ず:
- 取扱説明書をよく読み、理解してください
- この製品を正しく使用するための適切な指導を受けてください
- この製品の機能とその限界について理解してください
- 高所での活動に伴う危険について理解してください
これらの注意事項を無視または軽視すると、重度の傷害や死
につながる場合があります。
責任
警告:使用前に適切なトレーニングが必要です。トレーニングは、
「
用途」の欄に記載された使用用途に対応している必要があります。
この製品は使用方法を熟知していて責任能力のある人、あるいは
それらの人から目の届く範囲で直接指導を受けられる人のみ使用
してください。
ユーザーは各自の責任で適切な安全確保の技術を習得する必要
があります。
誤った方法での使用中及び使用後に生ずるいかなる損害、傷害、
死亡に関してもユーザー各自がそのリスクと責任を負うこととしま
す。各自で責任がとれない場合や、その立場にない場合は、この製
品を使用しないでください。
2.各部の名称
(1) ショルダーストラップ (2) 後部調節バックル (3) 前部調節バッ
クル (4) 胸部アタッチメントポイント (5) ツールホルダーループ
(6) 伸縮性ストラップリテイナー (7) マジックテープ式のランヤー
ドリテイナー
TOP
(8) チェストハーネスとシットハーネスを連結するためのコネク
ター
TOP CROLL
(9) 反転防止機能付マイロン (10) チェストアッセンダー CROLL(EN
12841適合) (11) カム (12) トリガー
主な素材:
ストラップ: ポリエステル
調節バックル: スチール
アタッチメントポイント、チェストハーネスとシットハーネスを連結
するためのコネクター: アルミニウム合金
CROLL: アルミニウム合金(フレーム)、ステンレススチール(カ
ム)。
3.点検のポイント
毎回、使用前に
チェストハーネス: ウェビングのアタッチメントポイント部分、調節
バックル部分、および縫製部分を点検してください。
使用による切れ目や磨耗、熱や化学製品との接触等による損傷が
ないことを確認してください。切れている縫製糸がないことを特に
注意して確認してください。
バックルが正常に機能することを確認してください。
フレーム及びゲート、ヒンジ、ロッキングスリーブに亀裂や変形、
腐食等がないことを確認してください。ゲートを開けて放すと、ゲ
ートが閉まり、正しくロックできることを確認してください。ゲート
上部のキーロックスロットに泥や小石等が詰まらないようにして
ください。
マイロン: フレームに亀裂や変形、腐食等がないことを確認してく
ださい。スクリューゲートがしっかりと閉じており(ネジ山が見えな
い)、3 Nm のトルクで締められていることを確認してください。
CROLL: 製品に亀裂や変形、傷、磨耗、腐食等がないことを確認し
てください。
フレーム、コネクションホール、カム、トリガー、カムの軸、スプリン
グの状態を確認してください。
カムの動きとスプリングの状態に問題がないことを確認してくだ
さい。
カムの歯に泥等が詰まっていないことを確認してください。
警告:カムの歯が欠けている場合は使用しないでください。
各PPE(個人保護用具)の点検方法の詳細についてはペツルのウェ
ブサイト(www.petzl.com/ppe)をご参照ください。
疑問点は(株)アルテリア(TEL:04-2968-3733)にご相談ください。
使用中の注意点
この製品及び併用する器具(連結している場合は連結部を含む)
に常に注意を払い、状態を確認してください。システムの各構成器
具が正しくセットされていることを確認してください。
CROLL:
警告、注意:
- 異物(小石、小枝、ウェビング等)が挟まることによりカムの動きが
妨げられる場合があります。
- トリガーが物に引っかかると、カムが開くことがあります。
4.適合性
この製品がシステムの中のその他の器具と併用できることを確認
してください(併用できる = 相互の機能を妨げない)。
併用が認められたハーネスのみを使用してください。適合表
(Compatibility)をご覧ください。
5.チェストハーネス TOP の取り付け
A- シットハーネスへの取り付け
図に従って取り付けてください。ダブルバックバックルに正しくスト
ラップを通してください。
B- ハーネスの装着
- 余分なストラップは必ず折って平らにした状態でリテイナーにし
まってください。
チェストハーネスとシットハーネスを連結するためのコネクター:
このコネクターにランヤードやエネルギーアブソーバーを取り付
けることはできません。
注意、危険: コネクターは常にゲートを閉じ、ロックされた状態で
使用しなければなりません。ゲートが開いた状態では、強度は大
幅に低下します。
ゲートを指で押し、ロックされていることを確認してください。泥や
砂、ペイント、氷、汚水等はロッキングシステムの機能を損なう危
険性があります。
調節の確認
墜落の際に怪我をする危険を低減するため、ハーネスは体にぴっ
たりとフィットするよう調節してください。
ハーネスが正しくフィットし、使用目的に見合う快適性が得られる
ことを必ず確認してください。ハーネスを装着した状態で動いた
り、装備を全て装着した状態で各アタッチメントポイントから吊り
下がり、適切に調節されていることを確認してください。
6.チェストハーネス TOP CROLL の取り付け
A- シットハーネスへの取り付け
後部の連結: 図に従って取り付けてください。ダブルバックバック
ルに正しくストラップを通してください。
前部の連結: チェストハーネスに付いている反転防止機能付きの
マイロンを、シットハーネスの腹部ウェビングアタッチメントポイン
ト(チェストハーネスを連結するためのアタッチメントポイント)に
取り付けます。トルクレンチを使用して、3 Nm のトルクでスクリュ
ーゲートを締めてください。
反転防止のため、プラスチックのカバーを必ず閉じてください。
このマイロンは、ランヤードやエネルギーアブソーバーを取り付け
るためのアタッチメントポイントとして使用することはできません。
注意、FALCON ASCENT は接続方法が違います:
- TOP CROLL に付属している反転防止機能付マイロンは使用しな
いでください。このマイロンは、FALCON ASCENT の腹部ウェビン
グアタッチメントポイントの接続には適していません。
- マイロン DEMI-ROND またはロッキングコネクター OMNI
TRIACT-LOCK を使用して、CROLL とハーネスの腹部ウェビングア
タッチメントポイントを接続してください。
B- ハーネスの装着
- 余分なストラップは必ず折って平らにした状態でリテイナーにし
まってください。
調節の確認
TOP と同様です。
7.フォールアレスト用胸部アタッチメントポイント
(EN361:2002 適合)
フォールアレストシステム(例:モバイルフォールアレスター、エネ
ルギーアブソーバー、その他 EN 363 で定められているシステム)
に連結する場合は必ず胸部アタッチメントポイントを使用してくだ
さい。区別しやすくするため、このアタッチメントポイントには「A」
の文字が刻印されています。
クリアランス:ユーザーの下の障害物のない空間
墜落した際に途中で障害物に衝突することを回避するため、ユー
ザーの下には必ず十分なクリアランスを確保してください。必要な
クリアランスを算出する方法は、フォールアレストシステムを構成
するその他の器具(エネルギーアブソーバー、モバイルフォールア
レスター等)の取扱説明書に記載されています。
8.チェストアッセンダー CROLL
CROLL はタイプ B のロープアジャストメントデバイスで、作業ロー
プの登高に使用します。
CROLL は、必ずバックアップロープにセットしたタイプ A のバ
ックアップ器具(例: モバイルフォールアレスター ASAP)と併
用してください。
CROLL は、フォールアレストシステムでの使用には適していませ
ん。
- EN 12841: 2006 タイプ B の要求事項を満たすためには、EN
1891 タイプ A に適合した直径 10~11 mm のセミスタティック
ロープ(コア + シース)を使用する必要があります。
(認証テストで
はベアール『Antipodes 10 mm』、
『Antipodes 11.5 mm』が使用
されました)
- ランヤード + コネクター + 器具の長さが1 mを超えないように
してください
- 器具に衝撃荷重がかかるのを避けるため、ロープ(器具と吊り元
の間)はたるませず、常にテンションがかかった状態を保つ必要
があります。
バックアップ用ロープを、ワークポジショニングのために使用しな
いでください。
衝撃荷重によってロープはダメージを受けます。
最大使用荷重: 140 kg
機能の原理と確認
この製品はロープ登高に使用します。ロープ上を一方向には動き
ますが、反対方向には動きません。
カムの歯がロープを噛むことにより、フレームとの間でロープを挟
みます。ロープに付いた泥等によるつまりを防ぐために、カムには
スロットがあります。
ロープの取り付けと取り外し
カムを開くには、トリガーを親指と人差し指でつまみ、カムから離
しながら引いて、右側の本体部分にひっかけます。これでカムが開
いた状態でロックされます。
ロープを挿入します。上下の向きを示す目印に注意して正しい向
きにセットしてください。トリガーを戻し、カムがロープを押さえて
いることを確認してください。トリガーは不意にカムが解除される
のを防ぎます。
ロープの取り外し:
器具を上にスライドさせながら、トリガーをまず下側に、それから
外側に引いてください。
ロープ登高
CROLL と、フットループを取り付けた別のロープクランプ(BASIC
等)を使用します。必ず別のロープクランプとハーネスをランヤー
ドで連結してください。
斜めにトラバースする場合
器具の下側のロープが横方向に引かれると、カムが不意に開く危
険があります。器具の下側のロープをおさえて、ロープができる限
り垂直になるようにしてください。
短い距離の下降
器具をゆっくりと上にスライドさせながらカムを下に押してくださ
い。トリガーは操作しないでください。不意にカムを解除してしま
う危険があります。
警告: 体重が 100 kg を超えるユーザーが使用する場合は、ペツ
ルのウェブサイト
(www.petzl.com)で Solutions for workers over 100 kg を確認
してください
9.ヨーロッパ規格 EN 365 に関する補足情報
レスキュー計画
ユーザーは、この製品の使用中に問題が生じた際にすみやかに対
処できるよう、レスキュー計画とそれに必要となる装備をあらかじ
め用意しておく必要があります。
アンカー
システム用のアンカーはユーザーの体より上にとるようにしてくだ
さい。アンカーは、最低でも 10 kN の強度を持ち、EN 795 の要求事
項を満たしていなければなりません。
その他
- フォールアレストシステムでは、墜落した際に地面や障害物に衝
突することがないよう、毎回使用前に十分なクリアランスがユーザ
ーの下に確保されていることを確認する必要があります
- 墜落距離を短くし、危険を少なくするため、アンカーが適切な位
置に設置されていることを確認してください
- フォールアレストシステムで身体のサポートに使用できるのはフ
ォールアレストハーネスのみです
- 複数の器具を同時に使用する場合、1つの器具の安全性が、別
の器具の使用によって損なわれることがあります
- 警告:製品がざらざらした箇所や尖った箇所でこすれないように
注意してください
- ユーザーは、高所での活動が行える良好な健康状態にあることが
必要です。警告: 動きの取れない状態のまま吊り下げられると、ハ
ーネスを着用していても重度の傷害や死に至る危険性があります
- 併用するすべての用具の取扱説明書もよく読み、理解してくだ
さい
- 取扱説明書は、製品と一緒にユーザーの手に届かなければなり
ません。また、取扱説明書は製品が使用される国の言語に訳され
ていなければなりません
10.一般注意事項
耐用年数 / 廃棄基準
ペツルのプラスチック製品及び繊維製品の耐用年数は、製造日か
ら数えて最長10年です。金属製品には特に設けていません。
警告: 極めて異例な状況においては、1回の使用で損傷が生じ、
その後使用不可能になる場合があります(劣悪な使用環境、鋭利
な角との接触、極端な高/低温下での使用や保管、化学薬品との
接触等)。
以下のいずれかに該当する製品は以後使用しないでください:
- プラスチック製品または繊維製品で、製造日から10年以上経過
した
- 大きな墜落を止めた、あるいは非常に大きな荷重がかかった
- 点検において使用不可と判断された。製品の状態に疑問がある
- 完全な使用履歴が分からない
- 該当する規格や法律の変更、新しい技術の発達、また新しい製品
との併用に適さない等の理由で、使用には適さないと判断された
使用しなくなった製品は、以後使用されることを避けるため廃
棄してください。
製品の点検
毎回の使用前の点検に加え、定期的に十分な知識を持つ人物によ
る綿密な点検を行う必要があります。綿密な点検を行う頻度は、使
用の頻度と程度、目的により異なります。また、法令による規定があ
る場合はそれに従わなければなりません。ペツルは、少なくとも12
ヶ月ごとに綿密な点検を行うことをお勧めします。
トレーサビリティ(追跡可能性)を維持するため、製品に付いてい
るタグを切り取ったり、マーキングを消したりしないでください。
点検記録に含める内容:用具の種類、モデル、製造者または販売元
の名前と連絡先、製造番号、認識番号、製造日、購入日、初めて使用
した日付、次回点検予定日、注意点、コメント、点検者及びユーザ
ーの名前と署名。
詳しい点検記録の見本は www.petzl.com/ppe をご参照くださ
い。
持ち運びと保管
紫外線、化学薬品、高/低温等を避け、湿気の少ない場所で保管し
てください。必要に応じて洗浄し、乾燥させてください。
改造と修理
ペツルの施設外での製品の改造および修理を禁じます(パーツ
交換は除く)。
3年保証
原材料及び製造過程における全ての欠陥に対して適用されます。
以下の場合は保証の対象外とします:通常の磨耗や傷、酸化、改造
や改変、不適切な保管方法、メンテナンスの不足、事故または過失
による損傷、不適切または誤った使用方法による故障
責任
ペツル及びペツル総輸入販売元である株式会社アルテリアは、製
品の使用から生じた直接的、間接的、偶発的結果またはその他の
いかなる損害に対し、一切の責任を負いかねます。
トレーサビリティとマーキング
a. この個人保護用具の製造を監査する公認機関
b. CE適合評価試験公認機関
c. トレーサビリティ:データマトリクスコード = 製品番号 + 個別
番号
d. 直径
e. 個別番号
f. 製造年
g. 製造日
h. 検査担当
i. 識別番号
j.規格
k.取扱説明書をよく読んでください