Fender オートマティック・バイアス
数多くのミュージシャンが真空
管のリッチで豊かなトーンを渇
望する一方で、度々メンテナン
スや修理の必要がある、ガラス
の真空管を搭載した重いアンプ
に躊躇します。オートマティック
バイアスは、真空管の寿命を最
大限に延ばし、最高のパフォー
マンスを確証することで。
バイアス: バイアスとは? その重要性とは?
各真空管に流れるアイドル電流は、バイアス設定によって決まります。
言い換えれば、バイアス設定によって(WARM/NORMAL/COOL)、
アイドルタイム(アンプを演奏していない状態)にどれだけの電力が
各真空管に流れるかを決定します。
真空管は複雑な装置で、安定した製造が困難です。そのため、真空管
は性能の特徴を検査され グレード に分類されます。同じグレードの
真空管は同じバイアスに設定できますが、それは伝統的な真空管アン
プ(Fenderのオートマティック・バイアスのないもの)では、すべての
真空管を同じタイミングで同じグレードの マッチした セットに取り
替える必要性からです。 さらに、新しいマッチしたセットを、古いマッ
チしたセットと交換する際には、サービスセンターへ持ち込みバイア
ス調整をする必要が生じます。
Fenderオートマティック・バイアスは各出力真空管を個別にモニター
します。もし真空管が1つ故障した場合、すべての出力真空管を、マッ
チしたセットで交換する必要はありません。故障した真空管を、単純
に同じ型式の同じグレードのものと交換するだけです。 もし6つすべ
ての出力真空管 (6550C)を同時に交換したい、あるいは交換する必
要がある場合、マッチしたセット (真空管6個)でさえあればどのグレ
ードでも使用できます。
バイアス設定はアンプのトーン、ダイナミクス、真空管の寿命、電力消
費に以下のように影響します:
WARM:
よりアグレッシブな(ダーティな)トーンになり、アタック
が速くなります。真空管の寿命は短かめになり、より多く電力を消
費します。
NORMAL:
通常の設定です。トーンと真空管の寿命のバランスに
すぐれています。
COOL:
アグレッシブさを抑えた(クリーン)トーンで、アタックはなだ
らかになります。真空管の寿命は長く、電力消費は低くなります。
真空管バイアスの調整:
ADJUSTボタンのアップ/ダウンを押して、WARM/COOLの設定を
します。各ボタンをNORMAL設定から5回押した状態が、バイアス調
整の最大レンジになります。バイアスのレンジは (各真空管) 23ミリ
アンペア(COOL) 〜 28ミリアンペア (NORMAL) 〜 33ミリアンペ
ア(WARM)です。 調整の間アンプをスタンバイにしておく必要はあ
りません。 調整が完了するまで、10-20秒ほどかかります。調整が完
了すると、LEDの点滅が止まります。
注意: アンプのリッチなトーンを保つため、Fenderオートマティック・
バイアスはアンプ演奏中は調整を行いません。Fenderオートマティッ
ク・バイアスは、アンプがアイドル状態の時や、非常に小さな音量で演
奏されている時を待って調整をします。
上向きの矢印と下向きの矢印を同時に押すと、バイアスを工場出荷状
態にリストアします(NORMAL)。以前取付けていたものと違うグレ
ードの真空管を、セット丸ごと取付ける際には、常にバイアス設定のリ
ストアを行ってください。
出力真空管ステイタス LED インディケーター:
Fenderオートマティック・バイアスにはLEDインディケーターが各出
力真空管に1つずつ、アンプ背部の左から右に向かって取付けられて
いる各出力真空管の位置と対応して搭載されています。これらのLED
には出力真空管の現在の状態が反映され、トラブルシューティングや
修理の際の助けになります。以下はLED表示機能の定義です:
グリーンのLED
が左から右へ移
動する:
真空管がウォーミングアップ中です。スタンバイ・モードの解除
は、常に1分間以上待って行ってください。アンプをウォームアッ
プ状態に保つにはスピーカー出力スイッチをオンにしてください。
注意:
一分間経過するより前にSTANDBYスイッチをオンにし
た場合 (非推奨)、一分間のウォームアップ期間が終了するまで、
ディスプレイの状態は更新されません。
LEDが緑色に
点灯:
真空管はOKで、望ましいバイアス・レベルで動作しています
(WARM/NORMAL/COOL)。
LEDが緑色で
点滅:
対応する真空管のバイアスを調整中です。調整を完了するのに
最長で20秒程度かかります。
注意:
LEDの点滅が5分以上続く場合は(電源を入れた後また
はバイアス調整の後)、その真空管は劣化しており交換の必要
があります。
LEDがオレン
ジ色:
真空管は劣化しており、同じレーティングの新品と交換する必要
があります。
いずれかのペ
ア (1A/1B,
2A/2B,
3A/3B)の片方
のLEDが赤、も
う一方がオレン
ジ色 に点灯:
LEDの赤く点灯している真空管が故障しており、交換の必要があ
ります (詳しい交換方法は次のページの"真空管の交換 の項をご
参照ください)。オレンジ色に点灯しているLEDは遮断され、アン
プは他の真空管ペア(緑のLED)によって安全に動作します。
注意:
この状態ではアンプは安全に動作し続けますが(そのた
めライブの最後まで演奏し通すことができます)、残りのパワー
真空管のみでの動作となるため、出力は減少します。
いずれかのペ
ア (1A/1B,
2A/2B,
3A/3B) の
LEDの両方が
赤く点灯:
信号レベルが高い状態で真空管が故障した場合、Fenderオート
マティック・バイアスはどのペアのどちらの真空管が故障したの
か判断がつかず、両方のLEDを赤く表示する場合があります。こ
のような状態でもアンプは安全に使用できますが、出力を低減
して動作します (上記と同じ状態です)。
修理には2つの選択肢があります(真空管の交換手順は 真空
管の交換 の項をご参照ください):
1.
LEDが赤く点灯した両方の真空管を、適合したヒューズ{BB}
とともに交換する。
または
2.
トラブルシューティングをして、壊れた方の真空管のみを交換
する。真空管を両方交換するのが現実的でなく(例:ライブ中な
ど)スペアのヒューズがある場合は、これが最良の方法です。
A.
LEDが赤く点灯したペアの真空管両方を、新品もしくは状
態の良い真空管と交換する。取り外した真空管は、故障して
いない可能性もあるため、捨てずに保管しておきます。
B.
同じ型式およびレーティングの、適した真空管ヒューズ{BB}
と交換する。
C.
電源{M}をオンにし、アンプを最低1分間スタンバイ{N}状態
にする。
D.
アンプのスタンバイ・モードを解除し、10-15秒間、Fender
オートマティック・バイアスが診断をし、ディスプレイのステ
ータスが更新されるまでお待ちください。
E.
すべてのLEDが緑色で、問題のある真空管は交換されてい
ます(取り外した真空管は適切に廃棄してください)。
F.
2つのLEDがまだ赤く点灯している場合、取り外した真空管
は問題の無い方です。取り外した真空管は取っておき、手順
G
に進みます。
G.
LEDの赤く点灯している真空管ペアのうち、最初に取り外
したもので無い方を取り外し、手順
A
で取り外した真空管を
取付けます。手順
B-E
を繰り返してください。
H.
もしまだLEDが赤く点灯し続けていたら、真空管は2つとも
故障しています。手順
g
以降で作業を行った真空管を、新し
いものと交換してください(取り外した真空管は適切に廃棄
してください)。手順
B-E
を繰り返してください。
すべてのLEDが
赤あるいはオレ
ンジ色:
複数の真空管が故障しており、アンプから音が出なくなります。
各真空管ペアを上記の要領で修理してください。この現象が起
こる可能性はかなり低いでしょう。
注意:
いずれかの真空管が無い場合は(装着されていない)、その
真空管のLEDはオレンジ色になります。そのような真空管ペア
は、ペア自体がないものとしてオレンジ色に表示され、Fender
オートマティック・バイアスは真空管の故障を感知しません。
すべてのLEDが
ゆっくりとフラ
ッシュする :
アンプがスタンバイ{N}状態になっているか、スピーカー出力スイ
ッチ (Q)がミュートされています。
WARM
NORMAL
COOL
OUTPUT TUBE STATUS
AUTOMATIC BIAS
PATENT PENDING
1B
1A
2A 2B 3A 3B
ADJUST
日本
語
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