ステップアップガイド
MG12/4FX
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■ バランス方式のしくみ
両端が XLR 端子のケーブルは、通常このバランス方式です。信号の受け渡しに「ホット(+)」「コールド(−)」「グラウンド(GND)」の 3
本のワイヤーを使用します。
送信側では、元の信号「ホット(+)」に対して位相を反転した信号を「コールド(−)」に送ります。受信側では、
「コールド(−)」の信号を
位相反転し「ホット(+)」の信号と合成します。
ケーブルにノイズが侵入した 場合、「ホット(+)」と「コールド(−)」それぞれのラインに均等にノイズ が乗ります。受信側で「コールド
(−)」の信号を位相反転し、「ホット(+)」の信号と合成すると、ノイズだけが打ち消し合って、ノイズを取り除くことができます。
すなわちバランス方式は、外部ノイズに対して非常に強いということができます。
■ アンバランス方式のしくみ
バランスケーブルは、端子やケーブルがアンバランスのものと比べて高価になります。そこで、伝送する信号が大きくてノイズの影響を受けに
くい場合や、音響機器間のケーブルが短い場合などは、アンバランスケーブルもよく使われます。
モノラルのフォーン端子や AV 機器に使われる RCA ピン端子のケーブルは、アンバランス方式です。
アンバランス方式は、バランス方式のグラウンド(GND)をコールド(−)と兼用にして、ホット(+)とグラウンド(GND)で信号の受け
渡しを行なう方式です。バランス方式のようにノイズを取り除くことはできませんが、通常この方式で使用される機器は、受け渡す信号レベル
が高いためアンバランス方式で十分対応できます。DI(*)などで信号をバランスに変換することもできます。
* DI ........ ダイレクトボックス(Direct Injection Box)と呼ばれる機器です。
ギターなどの楽器をミキサーに直接入力すると、音やせやノイズの原因になります。
DI を楽器とミキサーの間に挿入すると、信号がバランスに変換され、音やせやノイズを防ぐことができます。
ノイズ
ホット
(+)
コールド
(−)
グラウンド
(GND)
送信側
ケーブル
受信側
位相反転
位相
反転
合成された信号
ノイズだけが打ち消し合う
ノイズ
送信側
ケーブル
受信側