ステップアップガイド
MG12/4FX
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5-3. 最終ミックス
ミキサーのAUXバスを通してリバーブやディレイといったエフェク
ターを上手に使えば、ミックスをさらに磨き上げることができます。
しかし、使いす ぎてしまうとせっか くミックスした音が 色あせてし
まい、全体的に透明感がなくなってきてしまいます。リバーブやディ
レイの設定 によって、効果音と原音 が絡み合ったときの 音質に大き
な違いが生まれます。
■ リバーブ / ディレイタイム
外部リバーブ / ディレイ機器の種類はさまざまですが、ほとんどの
場合、リバーブ / ディレイタイムを調整できるようになっています。
リバーブ / ディレイタイムをほんの少し工夫するだけで、音質に大
きな差が生 まれます。ディレイタ イムは、得ようとして いる効果に
合わせて調 整します。ボーカルに エコーを付加したい 場合は、曲の
テンポに 合わせて付点八分 音符( )の長さなどに設 定すると、心
地よい効 果が得られます。リバ ーブタイムは、デンシ ティ(残響密
度)の設定にもよりますが、ディレイと違って音が拡散されるので、
テンポにぴ ったり合わせる必 要はありません。基本的 には、テンポ
の速い曲や 動きのある曲には短 めの設定、バラードなど のテンポの
ゆっくりした曲には長めの設定をします。
■ リバーブトーン
いかに 明るくて 低音がき いたリバ ーブを作 り出すか というこ とも、
最終ミック スをするうえで重要 なポイントです。自然に 生じる残響
(リバーブ)は、時間が経つにしたがって低音域より高音域が早く減
衰していく傾向があります。
したがって、高 音域のトーンを上 げすぎると、単に不自 然に聞こえ
るばかりで はなく、せっかくミック スで調節してきたほ かの高音域
を干渉して しまいます。逆に下げす ぎてもこもった音に なってしま
います。
■ リバーブレベル
ミックスの 作業を続けていると、普 段の音を聞く感覚が 徐々に麻痺
してくるも のです。イコライザーや 外部エフェクターで 加工しすぎ
てす っか り色あ せた ミック スを完 璧な ミック スだ と思い 込ん でし
まった経 験はないでしょ うか?これは「ミックス の罠」です。こう
した罠に陥 らないためにも、リバー ブレベルを一度すべ て下げてみ
ましょう。それ から必要なだけ徐々 にリバーブレベルを 上げていく
ようにすれば、本当に必要なレベルを知ることができます。
■ 最終ミックスにあたって
イコライザ ーは、音色を調整してパ ート間での音のぶつ かる周波数
帯域を調整 できます。パンは、左右の 空間を調整してパ ートを分散
できます。リバーブやディレイは、パートの奥行感を表現できます。
すなわち、前後の空間を調整して、パートを分散できます。そして、
これらすべ ての音量バランスをフ ェーダーで整えてミッ クスができ
あがります。
埋も れて しま ったパ ート を引 き立て たい 場合 は、ど の要 素が その
パートを邪 魔しているかを見極 め、どの方法で音を分離 させるのが
効果的かを考えていきましょう。
本機は内蔵エフェクターを搭載しております。外部エフェクター
を使 わなくて も各チャ ンネルに リバーブ やディレ イを加え たり
することができます。詳細は次ページをご覧ください。