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警告
• 絶対に、ドライスーツを唯一の浮力調整のツールとして頼らないでください。必ず、個別
のインフレーションシステムを備えた適切な浮力調整デバイスを着用してダイビングを
してください。
• ファスナーの歯に衣類やその他の物が挟まっている場合、ファスナーが開き、防水機能
が損なわれる原因となります。この破損は元に戻すことはできず、修理できません。ファス
ナーを開閉する際には、バディに助けてもらいましょう。
• シールがきつ過ぎると、血流が阻害され、負傷や死亡の原因となる危険性があります。き
つ過ぎるシールを装着しないようにしてください。
• ラテックスアレルギーの有無やその程度を確認してから、ラテックスシールを採用したド
ライスーツを購入・使用してください。
• ご自身のスキルの限界を知り、危険信号としての不快感を察知することを学んでくださ
い。低体温症および高体温症はどちらも危険であり、致死的状況に陥る可能性もあるた
め、絶対に防止してください。ダイビング中はすべての作業速度を確認し、過度な空気の
消費、疲労、発熱といった症状を防いでください。
• ドライスーツ着用時の浮力調節はウェットスーツ着用時よりも複雑です。浮力調節は、ド
ライスーツ着用について学ぶ上で最も重要なスキルです。
• 首や手首のシールをとめる際に、ガラス製品を使用しないでください。内部圧力により、
プラグがシールから外れる場合があります。するとガラスが粉々に割れ、けがにつながる
恐れがあります。
• ドライスーツを正規代理店以外で修理または改造、もしくはその両方をした場合、保証
は無効となります。また、スーツの機能が損なわれ、重症または死亡にいたる危険性があ
ります。修理が必要な場合は、必ずスキューバプロの正規代理店にご依頼ください。
• 不正な改造や排尿用 システムの取り付けにより破損した場合は、保証は無効となります。
• 付属のラベルは取り外さないでください。ラベルには表示義務のある製造日および製品
情報が記載されています。保証期間内の修理等の際には、製造日または購入日を証明
するものが必要となります。
• 一般的にドライスーツは、ダイバーと冷たい水の間に空気の層を作ることで断熱効果を
生み出します。
ドライスーツの主な仕様
本書では、ネオプレンおよびトリラミネートという2種類のスキューバプロのドライスーツに
ついて解説しています。スーツはすべて、メイン防水ファスナー、吸気/排気バルブ、中圧イン
フレーターホース、加硫ネオプレンブーツ、ネオプレンフード、およびバッグといった基本機
能を備えています。一部のモデルは、指定の修理キットを付属しています。
ネオプレン
ネオプレンスーツは4mmの圧縮フォームネオプレンを使用し、両側をナイロンジャージー
素材でラミネートされています。外側は織りが細かく、摩擦や摩耗に対する耐久性を強化す
る一方、内側は快適さを追求するデザインを採用しています。圧縮フォームネオプレンは非
常に高密度で、深い深度での圧力にも耐久性を発揮します。つまり、スーツの表面浮力の損
失が少ないため、中性浮力を保つ上で必要となる空気の量が少なくてすみ、深い深度での
熱効率も保てることを意味しています。ネオプレンはトリラミネートとは異なり、素材の中に
保温性および浮力を備えているため、どのような状況下においても、一般的にトリラミネー
トと比較した場合、スーツの下に着用するアイテムが少なくてすみます。シームはすべて三
層構造のネオプレン接着剤を採用しています。外側は2本どりの糸でまつり縫いがほどこさ
れ、内側はナイロン層を浸透してネオプレン自体に溶着する特許取得の液体ポリマーによ
り強化されています。これにより、頑丈で耐久性と防水性の高いシームとなっています。