
TECHNICAL NOTICE
AVAO SIT / AVAO SIT FAST
C795000D (071215)
13
JP
本書では、製品の正しい使用方法を説明しています。技術や使用
方法については、いくつかの例のみを掲載しています。
製品の使用に関連する危険については、警告のマークが付いて
います。ただし、製品の使用に関連する危険の全てをここに網羅
することはできません。最新の情報や、その他の補足情報等は
Petzl.com で参照できますので、定期的に確認してください。
警告および注意事項に留意し、製品を正しく使用する事は、ユー
ザーの責任です。本製品の誤使用は危険を増加させます。疑問
点や不明な点は (株) アルテリア (TEL 04-2968-3733) にご相談
ください。
1.用途
PPE(個人保護用具)
高所での作業に使用するシットハーネス、ワークポジショニング
及びレストレイン用ベルト。
製品の破断強度以上の荷重をかける使用や、本来の用途以外で
の使用は絶対に避けてください。
警告
この製品を使用する高所での活動には危険が伴います。
ユーザー各自が自身の行為、判断についてその責任を負うこ
ととします。
使用する前に必ず:
- 取扱説明書をよく読み、理解してください
- この製品を正しく使用するための適切な指導を受けてください
- この製品の機能とその限界について理解してください
- 高所での活動に伴う危険について理解してください
これらの注意事項を無視または軽視すると、重度の傷害や死
につながる場合があります。
責任
警告:使用前に適切なトレーニングが必要です。トレーニングは、
「用途」の欄に記載された使用用途に対応している必要があり
ます。
この製品は使用方法を熟知していて責任能力のある人、あるいは
それらの人から目の届く範囲で直接指導を受けられる人のみ使
用してください。
ユーザーは各自の責任で適切な安全確保の技術を習得する必
要があります。
誤った方法での使用中及び使用後に生ずるいかなる損害、傷害、
死亡に関してもユーザー各自がそのリスクと責任を負うこととし
ます。各自で責任がとれない場合や、その立場にない場合は、この
製品を使用しないでください。
2.各部の名称
(1) 腹部アタッチメントポイント (2) 側部アタッチメントポイント
(3) チェストハーネスを連結するためのアタッチメントポイント
(4) ウエストベルトストラップ (5) 後部レストレイン用アタッチメン
トポイント (6) チェストハーネスとシットハーネスを連結するため
のバックル (7) ダブルバックバックル (7 bis) ファストバックル (8)
ギアループ (9) ツールホルダーループ (10) ストラップリテイナー
(11) レッグループストラップ (12) レッグループリテイナー (13) エ
ラスティックストラップ (14) CARITOOL 取付用スロット
主な素材:
ストラップ: ポリエステル、ナイロン
調節バックル: スチール
アタッチメントポイント: アルミニウム合金
3.点検のポイント
毎回、使用前に
ウェビングのアタッチメントポイント部分、調節バックル部分、お
よび縫製部分を点検してください。
使用による切れ目や磨耗、熱や化学製品との接触等による損傷が
ないことを確認してください。切れている縫製糸がないことを特
に注意して確認してください。
ダブルバックバックル、ファストバックルが正常に機能することを
確認してください。
各PPE(個人保護用具)の点検方法の詳細についてはペツルのウ
ェブサイト(Petzl.com)をご参照ください。
疑問点は(株)アルテリア(TEL:04-2968-3733)にご相談ください。
使用中の注意点
この製品及び併用する器具(連結している場合は連結部を含む)
に常に注意を払い、状態を確認してください。システムの各構成
器具が正しくセットされていることを確認してください。
4.適合性
この製品がシステムの中のその他の器具と併用できることを確認
してください(併用できる = 相互の機能を妨げない)。
5.ハーネスの装着方法
- 余分なストラップは必ず折って平らにした状態でリテイナーに
しまってください。
ファストバックルの機能を妨げる可能性があるため、小石、小枝、
ウェビング等が挟まらないように注意してください。調節バックル
が正しく締められていることを確認してください。
調節の確認
墜落の際に怪我をする危険を低減するため、ハーネスは体にぴっ
たりとフィットするよう調節してください。
ハーネスが正しくフィットし、使用目的に見合う快適性が得られる
ことを必ず確認してください。ハーネスを装着した状態で動いた
り、装備を全て装着した状態で各アタッチメントポイントから吊り
下がり、適切に調節されていることを確認してください。
6.ワークポジショニング / レストレイン用ベルト(EN
358:1999 適合)
これらのアタッチメントポイントは、吊り下がった状態で体を支え
作業位置で安定した体勢をとる(ワークポジショニング)、または
墜落の可能性がある場所にユーザーが侵入できないよう行動範
囲を制限する(レストレイン)ために使用します。レストレインま
たは落下距離が 0.5 m を超えないワークポジショニングにのみ
使用できます。
これらのアタッチメントポイントは、フォールアレストの目的で使
用することはできません。状況に応じて、ワークポジショニングや
レストレインシステムに加えて、共同の確保システム(手すり、安
全ネット等)や個人用のフォールアレストシステムを併用する必
要があります。
EN 363 に準じたフォールアレストシステムで使用する場合は、シ
ットハーネスにチェストハーネス TOP または TOP CROLL を組み
合わせて使用してください。
6A.腹部アタッチメントポイント
6B.側部アタッチメントポイント
両側部のアタッチメントポイントは、必ずワークポジショニングラ
ンヤードで連結して使用してください(U字吊り)。
6C.ワークポジショニング及びレストレイン用ベルト(EN
358:1999 適合)
このアタッチメントポイントは、レストレインシステムを連結する
目的でのみ使用できます。
作業中も常にシステムの有効性を確認してください(長さ等の調
節や連結箇所を確認してください)。
7.シットハーネス EN 813:2008
腹部アタッチメントポイント
最大使用荷重:140 kg
ロープアクセス及びワークポジショニング用にデザインされて
います。
腹部アタッチメントポイントは、下降器やワークポジショニングラ
ンヤード等の接続に使用します。
フォールアレストシステムとの連結には使用しないでください。
8.ギアループ
ギアループは器具を取り付けるためにのみ使用してください。
警告、危険: ギアループは、ビレイ、懸垂下降、ロープの連結、自己
確保には絶対に使用しないでください。
9.ヨーロッパ規格 EN 365 に関する補足情報
レスキュー計画
ユーザーは、この製品の使用中に問題が生じた際にすみやかに
対処できるよう、レスキュー計画とそれに必要となる装備をあらか
じめ用意しておく必要があります。
アンカー
システム用のアンカーはユーザーの体より上にとるようにしてく
ださい。アンカーは、最低でも 10 kN の強度を持ち、EN 795 の要
求事項を満たしていなければなりません。
その他
- フォールアレストシステムでは、墜落した際に地面や障害物に衝
突することがないよう、毎回使用前に十分なクリアランスがユー
ザーの下に確保されていることを確認する必要があります
- 墜落距離を短くし、危険を少なくするため、アンカーが適切な位
置に設置されていることを確認してください
- フォールアレストシステムで身体のサポートに使用できるのはフ
ォールアレストハーネスのみです
- 複数の器具を同時に使用する場合、1つの器具の安全性が、別
の器具の使用によって損なわれることがあります
- 警告:製品がざらざらした箇所や尖った箇所でこすれないよう
に注意してください
- ユーザーは、高所での活動が行える良好な健康状態にあること
が必要です。警告: 動きの取れない状態のまま吊り下げられる
と、ハーネスを着用していても重度の傷害や死に至る危険性が
あります
- 併用するすべての用具の取扱説明書もよく読み、理解してくだ
さい
- 取扱説明書は、製品と一緒にユーザーの手に届かなければなり
ません。また、取扱説明書は製品が使用される国の言語に訳され
ていなければなりません
10.一般注意事項
耐用年数 / 廃棄基準
ペツルのプラスチック製品及び繊維製品の耐用年数は、製造日か
ら数えて最長10年です。金属製品には特に設けていません。
警告: 極めて異例な状況においては、1回の使用で損傷が生じ、
その後使用不可能になる場合があります(劣悪な使用環境、鋭
利な角との接触、極端な高/低温下での使用や保管、化学薬品と
の接触等)。
以下のいずれかに該当する製品は以後使用しないでください:
- プラスチック製品または繊維製品で、製造日から10年以上経
過した
- 大きな墜落を止めた、あるいは非常に大きな荷重がかかった
- 点検において使用不可と判断された。製品の状態に疑問がある
- 完全な使用履歴が分からない
- 該当する規格や法律の変更、新しい技術の発達、また新しい製
品との併用に適さない等の理由で、使用には適さないと判断さ
れた
使用しなくなった製品は、以後使用されることを避けるため廃
棄してください。
製品の点検
毎回の使用前の点検に加え、定期的に十分な知識を持つ人物に
よる綿密な点検を行う必要があります。綿密な点検を行う頻度
は、使用の頻度と程度、目的により異なります。また、法令による規
定がある場合はそれに従わなければなりません。ペツルは、少な
くとも12ヶ月ごとに綿密な点検を行うことをお勧めします。
トレーサビリティ(追跡可能性)を維持するため、製品に付いて
いるタグを切り取ったり、マーキングを消したりしないでください。
点検記録に含める内容:用具の種類、モデル、製造者または販売
元の名前と連絡先、製造番号、認識番号、製造日、購入日、初めて
使用した日付、次回点検予定日、注意点、コメント、点検者及びユ
ーザーの名前と署名。
詳しい点検記録の見本は Petzl.com をご参照ください。
持ち運びと保管
紫外線、化学薬品、高/低温等を避け、湿気の少ない場所で保管し
てください。必要に応じて洗浄し、乾燥させてください。
改造と修理
ペツルの施設外での製品の改造および修理を禁じます(パーツ
交換は除く)。
3年保証
原材料及び製造過程における全ての欠陥に対して適用されます。
以下の場合は保証の対象外とします:通常の磨耗や傷、酸化、改
造や改変、不適切な保管方法、メンテナンスの不足、事故または
過失による損傷、不適切または誤った使用方法による故障
責任
ペツル及びペツル総輸入販売元である株式会社アルテリアは、製
品の使用から生じた直接的、間接的、偶発的結果またはその他の
いかなる損害に対し、一切の責任を負いかねます。
警告のマーク
1.重傷または死につながる恐れがあります。2.事故や怪我につな
がる危険性があります。3.製品の機能や性能に関する重要な情報
です。4.してはいけない内容です。
トレーサビリティとマーキング
a.この個人保護用具の製造を監査する公認機関 - b.CE 適合評価
試験公認機関 - c.トレーサビリティ: データマトリクスコード = 製
品番号 + 個別番号 - d.直径 - e.個別番号 - f.製造年 - g.製造月 -
h.ロット番号 - i.個体識別番号 - j.規格 - k.取扱説明書をよく読んで
ください - l.モデル名