88
ピペッティングの所要時間が10秒である場合,蒸発量は2mg(10秒 x 0.2mg/秒)となり
ます。エヴァポレーショントラップや容器の蓋などを使用する場合は,通常,蒸発に関す
る補正は必要ありません。
変換係数Zは,検定時の温度および気圧における水の重量を容量に換算するための係数で
す。例えば,22℃,950hPaの場合は1.0032µl/mgです。92ページにある変換係数表を参照
してください。
不正確度
不正確度とは,設定したピペットの分注量と実際に分注された量との差異を意味します。
A =
V - V
0
A = 正確度不正確度
V = 実際の分注量の平均値(検定値)
V
0
= 設定した分注量
不正確度は,相対的な値として表すことができます。 A% = 100% x A / V
0
不精密度
不精密度はピペッティングの再現性を示すもので,標準偏差(sまたはs.d.),または変動
係数(cv)で表されます。
s = 標準偏差
V = 実際の分注量の平均値(検定値)
n = 測定回数
標準偏差は,相対的な値として表すことができます(CV)。 CV = 100% x S /
V
メンテナンス
フィンピペットノーバスを使用しない時は,垂直に保管してください。ノーバススタンド
やフィンピペットスタンドを使うことをお勧めします。以下の説明の( )内の数字は,
部品及び付属品のページの数字に対応しています。
毎日の点検
毎日,ピペットを使用する前に,ピペットの表面にほこりや汚れが付いていないことを確
認してください。特に,チップコーンについては念入りに点検してください。ピペットの
手入れには,70%エタノール以外の溶媒は使用しないでください。
短期の定期メンテナンス
ピペットを毎日使用する場合,3ヶ月毎に点検を行い,ピペットにグリー
スを塗ってください。点検を行う際は,まず,MENU(メニュー)画面から
SERVICEモードを選択してください(「MENU(メニュー)」>「OPTIONS
(オプション)」>「SERVICE(サービス)」)。SERVICE(サービス)
モードに入ったら,トリガーを押します。
1000µl 以下のピペットの場合
1. チップイジェクタ(13)のスナップ固定を外してください。
2. イジェクタレバーを押し下げ,チップイジェクタアッパートップ
(11)を指で摘んでください。
3. イジェクタレバーを離して元の位置に戻しますが,チップイジェク
タアッパートップ(11)は下に押さえたままにしてください。
4. チップコーンを 引き抜いてください(スナップ固定)。
5. トリガーを押すと,ピストンの位置が下がります。
6. 専用のピストン取り外しツールを差し込み,ピス
トン(14)を引き出してください。No.2の側
は,300µlおよび1000µlのピストン用です。No.1側
は,それより小さいピストン用です。図を参照し
てください。
7. けばの無い乾いた布で,ピストン(14)をきれい
に拭いてください。チップコーンに異物が付着
していないことを確認してください。
8. きれいに拭いたパーツに,付属のグリースを塗
ってください。
9. ピペットのパーツを元どおり組み立てます。
まず,ピストンをチップコーンにゆっくりと挿
入してください。
10. チップイジェクタアッパーパート(11)を押し
下げたまま,チップコーンをハンドルに押し込
み,カチッと音がするまでしっかりとはめてく
ださい。その後チップイジェクタ(13)をはめ
てください。
日
本
語
1
2
1
2