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VE43/VE33/VE43-115/VE33-115 電動バルブのトラブルシューティングおよび修理
バルブの動作不良を診断する際、バルブのみならず油圧機器一般によく見られる症状があります。バルブを修理する前に、VM32をポンプ
に取り付けてポンプの不具合ではないことを確認してください。
i. トラブルシューティング
1. バルブの機能と使い方を理解するために、図6、7を参照して
ください。
2. 電動バルブの動作確認。押しボタン制御ステーションでの操作
が正しい順序で行われることを確認します。
スプール弁におい
てソレノイドが作動する
「カチッ」
という音がするかどうか確認
します。
3. パイロット圧が正しく設定されていること、あるいは調整が可
能であること、
またバルブから油漏れがないことを確認します。
4. 圧力が生じない場合、ポンプの接続箇所のシール損傷、逃し弁
部品(品目9、14、15)の故障、
ソレノイドスプール(品目48)の詰
まり、あるいはパイロット圧設定が低過ぎる
(500 psi [34 bar]未
満)
ことが原因になっていることがあります。
5. 圧力漏れが恒常的で圧力の上昇に比例して大きくなる場合は
一般に、ガスケットからの漏れ、NTPF継手やプラグなどのネジ
込み面からの漏れが原因です。
6. ボールシートからの漏れは規則性がないことが多く、漏れたり
漏れなかったりします。
これはシール部の端面に異物が挟まっ
ていることが原因です。ボールシートは摩耗するため、時間が
経つと交換する必要があります。
7. バルブの誤動作が両方向において同じである場合、バルブ側
面に「pilot pressure」
と記載されたポートに0-5000 psi (0-344
bar)の圧力計を差し込んで、パイロット圧設定を点検してくだ
さい。バルブを前進もしくは後退させ、パイロット圧が1200-
1400 psi (82-96 bar)の間にあることを確認します。
また、圧力
設定を上げたり下げたりする場合は、パイロット圧調整ネジ(
品目35)を調整してください。問題が改善しない場合、バネ(品
目37)、パイロットシート
(品目21)および銅製ガスケット
(品目
20)を交換してください。
8. パイロット設定の調整ができない場合、品目38に取り付けられ
たOリングとバックアップの互いの位置が間違っている、パイロ
ットボールシート
(品目21)から大きな漏れがある、あるいはバ
ネ(品目22)が破損している可能性があります。ただちに交換し
てください。
9. いずれの方向でもバルブ操作によって最大圧力に到達しない
場合、パイロット圧が低過ぎる可能性があります。パイロット圧
が低い原因は、スプール弁からの漏れやバルブ本体のパイロ
ット逃し弁ボールシート
(品目9、7)から漏れが発生している可
能性があります(上記パラグラフ7参照)。
10. 両方向で圧力が同時に生じる場合は、方向ピストンアセンブリ
(品目39)
とパイロットピストン(品目38)のどちらかあるいは
両方のピンが破損している、パイロット圧設定が低過ぎる、あ
るいはパイロットバネ(品目37)が破損している可能性があり
ます。ただちにパイロット設定を再調整するか部品を交換して
ください。
11. バルブによって方向をすぐに変えることができない場合、ボー
ル方向回路の間のバネ(品目19)の摩耗、
あるいは方向ピストン
(品目39)の不具合(ピンの破損かシールの損傷)の可能性が
あります。交換してください。
12. 前進位置あるいは後退位置のいずれかで、シリンダが圧力を
発生しない場合は、パイロット圧設定(1200-1400 psi (82-96
bar)の間に設定されています)を点検します。もう一つの原因
として、上側シートやパイロットシートが摩耗している可能性
があります。
この場合は交換する必要があります。シリンダが
「Neutral」位置や「Hold」位置(VE33のみ)から徐々に動いてし
まう場合は、上側バルブシートや下側バルブシートあるいはバ
ネが摩耗しているため、交換する必要があります。
13. シリンダが前進位置あるいは後退位置のどちらかで停止した
まま動かなくなる。
この不具合は、一般に作動油が汚れている
場合の症状です。油圧システムから作動油を排出し、新しいエ
ナパックの作動油を充填してください。次に、スプール弁のい
ずれかの側のピンアクチュエータを手で押し下げ、
スプール弁
を真ん中に移動させます。
ここで、
「上向き」矢印と
「下向き」矢
印を何回か押し、バルブの動作とシリンダの動きをチェックし
ます。もう一つの原因は、パイロット圧設定が高過ぎる(1400
psi [96 bar]より高い)
ことで、
この場合はパイロット圧逃し弁を
リセットし2200 psi (151 bar)
±
200 psi (
±
14 bar) にする必要が
あります。
ii. 分解:
1. 4本のネジ(品目49)
とロックワッシャー(品目49A)を外し、
ソレ
ノイドアセンブリ
(品目48)を取り外します。注意:ソレノイドバ
ルブを分解しないでください!
2. 最初に六角袋ナット
(品目47)、ロックナット
(品目46)、銅製ガ
スケット
(品目45)、調整ネジ(品目35)、6本のネジ(品目43)を
外してバルブアセンブリを分解します。次に、本体(品目7)から
カバー(品目32)を分離します。カバー底部からシール(品目
42、41)、方向バネ(品目40)を取り外します。パイロットピスト
ンアセンブリ
(品目38)、バネ(品目37)、スペーサ(品目36)を
取り外します。シールすべてについて損傷がないか点検しま
す。問題のある場合は、修理キット付属の新しいパーツと交換
します。
3. 前進方向ピストンと後退方向ピストン(品目39)を分解します。
4. パイロットシート(品目21)、銅製ガスケット
(品目20)、ボール(
品目18)、スペーサ(品目23)、バネ(品目22)を取り外してパイ
ロット部を分解します。上側シート(品目21)、銅製ガスケット
(
品目20)、ボール(品目18)、バネおよびスペーサアセンブリ
(
品目19)、ボール(品目18)、下側シートを取り外して前進部お
よび後退部を分解します。専用工具No. TXK200466-3と銅製
ガスケット
(品目16)を使用してください。使用済みの銅製ガ
スケットは廃棄し、修理キット付属の新しいパーツと交換しま
す。
5. プラグ(品目13)、調整ネジ(品目12)、バネ(品目15)、ガイド(
品目14)、ボール(品目9)を取り外してパイロットリリーフ部を
分解します。
6. プラグ(品目13)、調整ネジ(品目12)、バネ(品目15)、ガイド(
品目14)、ボール(品目9)を取り外して「B」ポートのパイロット
リリーフ部を分解します。
7. カバーや本体にある多数のパイプ栓については、汚れが付着
し洗浄が必要でないかぎり取り外す必要はありません。修理
キット付属の新しいパーツと交換します
8. 4本のネジ(品目5)を外し、本体(品目7)からポートマニホー
ルド(品目1)を取り外します。シール(品目27、31)を点検し、必
要に応じて交換します。
9. カバー(品目32)
と本体(品目7)をクリーニング後、損傷してい
ないことを点検します。必要に応じて交換します。