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EQDの歪みに興味をもって頂いて有難うございます!
このZoar(ゾア)を手に取っているという事はこの新
しい歪みへの衝動が抑えられなかった証拠だと思い
ますので、早速Zoarの核心に迫りましょう!
ゾアは過去の歪みに敬意を払いながらも、現役のミュ
ージシャンとして常に先を見続けるジェイミースティル
マンが開発した新しいディストーションです。パッシ
ブの3バンドEQは各帯域がお互いに作用し合う現代
的な設計になっており、単体での使用はもちろん、他
の歪みペダルやアンプの歪みとのペアリングで最高の
効果を発揮します。
ゾアの歪みはディスクリート回路上で作られており(
トランジスタのみで、オペアンプやダイオードではあ
りません!)、歪みを弾くなら誰もが望む通り、アンプ
感の有るタッチセンシティブなミディアム/ハイゲイン
のペダルです。強力なEQセクションを通過して生まれ
るハイファイで現代的な質感の歪みですが、昔ながら
の回路設計が故の懐かしさも混在し、馴染みのある
感覚と新しくユニークな歪みが体験できます。
曇りの無い突き抜けるタイトな歪みが欲しければ、ゾ
アはそれを可能にします。ローゲインのドロップチュー
ニングのギターやベースに合う歪みが必要でしたら、
ゾアの歪みが対応します。いろんなシチュエーション
でポップな歪みやヘビーな歪み、違うニュアンスでの
歪みが必要な時もゾアのフレキシブルな使用感が気
に入ってくれると思います。
この 小 さ な 筐 体 か ら 生 ま れ る 歪 み は L e v e l 、
Weight、Gain、Middle、そしてTrebleで構成されるコ
ントロールで操作します。Flexi-Switch搭載のスイッ
チを使用してのオンとオフは本体上部の赤いLEDで確
認できます。
ゾアのGain幅は軽くブレイクアップするクランチか
らヘビーにグラインドする歪みまで設定が可能です。
使用するギターのピックアップはもちろんですが、ゾ
アの歪みのキャラクターを決定付ける大きな部分は
Weightで、EQセクションでの微調整が鍵になります。
歪み回路としては昔ながらの製法で開発しましたが、
この3バンドパッシブEQがゾアの質感を現代的な歪
みとして出力します。一見シンプルに見えるEQセクシ
ョンですが、各帯域が相乗効果を生み、単純なカッ
ト/ブースト回路には無い細かな音作りを可能にしま
す。以下がゾアのEQを使っての音作りのポイントにな
ります。
• パッシブEQを採用しているので全ての帯域をゼロ
に下げると音は出力されません。
• 一つの帯域のノブを動かしても、他の帯域のEQの
音の変化に影響します。
• 全ての帯域のノブを同じ方向に設定しても、ゾアの
レスポンスは全く違う感触になります。例えば、全
てのノブを9時の方向や1時の方向、2時の方向で
揃えても、それぞれの設定でのゾアの入力信号に
対するレスポンスは同じになりません。
どうです?かなりフレキシブルな音作りができますよ
ね。音作りを始める際は全てのEQを12時方向に設定
し、そこから各帯域を一つずつ動かしてみる事をお勧
めします。
3バンドのEQとGainを使っての痒い所に手が届く音
作りはゾアの強みですが、Weightが最終的に音作り
の締めとなる鍵を握るでしょう。回路上通過する信号
の低音部の量を決定し、最終的な出音のキャラクタ
ーに重要な役割を果たします。まずは3バンドのEQを
12時に方向に設定し、Weightを調整しながらどれく
らい音全体に影響を与えるか聞いてみてください。ロ
ーゲインのブーストからオーバードライブ、ハイゲイン
のディストーションからHi-Fi感覚のファズの領域まで
広くカバーします。
Levelノブは12時方向に設定する事によって、入力さ
れた信号と同等の出力になりますが、他のノブの設定
の仕方によって変化します。出力の変化のみならず、
ゾアの歪みのキャラクターにも若干影響しますので
注意してみてください。3バンドEQとの兼用で(EQで
各帯域をブーストしLevelで音量を抑えるなど)、昔な
がらのローパスフィルターを使用した様な感覚で、広
い帯域での音作りが可能になります。