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P50A RESCUE P505010A (220609)
(JP)日本語
プーリー
この取扱説明書はペツルのプーリーについての一般事項を記載したものです。各モ
デルの説明書も併せて参照下さい。
図に示された使用方法の中で、×印やドクロマークが付いてい
ないものだけが認められています。 最新の取扱説明書やその
他の関連情報はウェブサイト(www.alteria.co.jp)で参照できま
すので、定期的に確認して下さい。
疑問点や不明な点は(株)アルテリア(TEL04-2969-1717)にご
相談下さい。
1. 用途について
この製品は個人保護用具(PPE)です。 ロープで使用するプー
リー
製品に表示された破断強度以上の荷重をかける使用や、本来
の用途以外での使用は絶対に避けて下さい。
警告
この製品を使用する高所での活動には危険が伴います。
ユーザー各自が自身の行為、判断についてその責任を負うこととします。
使用する前に必ず:
- 取扱説明書をよく読み、理解して下さい
- この製品を正しく使用するための適切な指導を受けて下さい
- この製品の機能とその限界について理解して下さい
- 高所での活動に伴う危険について理解して下さい
これらの注意事項を無視または軽視すると、重度の障害や死につながる場合があ
ります。
責任
警告:使用前に必ず、
「用途について」の欄に記載された使用用
途のトレーニングを受けて下さい。
この製品は使用方法を熟知していて責任能力のある人、あるい
はそれらの人から目の届く範囲で直接指導を受けられる人の
み使用して下さい。
ユーザーは各自の責任で適切な技術及び確保技術を習得する
必要があります。
誤った方法での使用中及び使用後に生ずるいかなる損害、傷
害、死亡に関してもユーザー各自がそのリスクと責任を負うこと
とします。 各自で責任がとれない場合や、その立場にない場合
はこの製品を使用しないで下さい。
2. 各部の名称
(1) サイドプレート (2) 滑車 (3) 軸 (4) シールドボールベアリン
グ (4bis) 自己潤滑性ブッシュ(プーリーのモデルによって異な
ります)
3. 点検のポイント
毎回、使用前に
ひび割れや変形、腐食がないことを確認してください。
滑車がスムーズに回転すること、ひどく磨耗していないことを
確認して下さい。 サイドプレートにゆるみや変形がないことを
確認して下さい。 滑車とサイドプレートが接触しないことを確
認して下さい。
使用中の注意点
支点やハーネスとの連結部を含め、システムの構成器具が正し
くセットされていることを確認して下さい。
この製品及び併用する器具(連結している場合は連結部を含
む)に常に注意を払い、状態を確認して下さい。
各PPE(個人保護用具)の点検方法の詳細についてはペツル
のウェブサイト(www.petzl.com/ppe)もしくはPETZL PPE
CD-ROMを参照下さい。
もしこの器具の状態に関する疑問があれば、(株)アルテリア
(TEL:04-2969-1717)にご相談下さい。
4. 適合性
この器具が、システムで使用されているその他の器具との使用
に適している(併用された時に個々の器具の機能が妨げられな
い)ことを確認して下さい。
- プーリーにはロッキングカラビナを使用して下さい
- コネクターのサイズと形状が適切であることを確認して下さ
い(カラビナでロープクランプをプーリーに取り付ける際は、
ロープクランプとプーリーが接触しないようにする必要があ
ります)
- 警告:ロープの直径が細すぎる場合は、ロープが滑車とサイド
プレートの間に挟まってしまうことがあります
警告:引き上げ動作等による動荷重は、支点とシステム内の器具にかかる荷重を2倍
またはそれ以上にする場合があります。 システム内の他の器具に充分な強度があるこ
とを確認して下さい。 衝撃荷重がかからないようにして下さい。
- プーリーと併用する器具(アンカー、ロープ、ロッキングコネ
クター等)は、全て該当する法規に適合していなければなりま
せん
もしこの製品の適合性に関して疑問点があれば(株)アルテリア
にご相談ください。
5. 荷重
5A. 最大運用荷重
5B. 破断強度
ロープの戻りを防ぐために、歯の付いたカムを持つロープクラ
ンプをプーリーと組み合わせて使用する場合は、システムの破
断荷重はロープクランプを通っているロープの強度によって
決まります。ペツル製の歯の付いたカムを持つロープクランプ
の場合は4~6kNです(ロープによって変わります)。その他の
ロープクランプを使用する場合は、その製品の取扱説明書を
参照下さい。
6. プーリーシステムの効率
6A. シンプルプーリーシステム
セルフジャミング機能付シンプルプーリーシステム
荷重Pを引き上げるために必要な力をFとすると、理論上はF =
Pとなります。ただし実際はシステム内の摩擦の影響を受けま
す。 例えばカラビナを使用してロープを折り返した場合は、この
関係式はF = 2Pとなります。プーリーを使用した場合は、プーリ
ーの効率によって変わりますが、F = 1.1P~1.4Pとなります。
6B. 1/2ホーリングシステム
長いロープ(引き上げる距離の2倍)が必要になります。
6C. セルフジャミング機能付1/3ホーリングシステム
6D. ダブルプーリーを使用した、セルフジャミング機能付1/4ホーリングシステム
テストコンディション:未使用のロープ(直径8 mm)、80 kgのお
もり、ゆっくりとしたスピードでの引き上げ
7. セルフジャミングシステム
警告: ロープの戻りを防止するセルフジャミングシステムでは、
毎回、使用前に、ロープが正しく通っていること及びセルフジャ
ミング機能が正しく作動することを確認して下さい。
8. 位置、ディビエーション
ディビエーション(ロープの流れを変える)でプーリーを使用す
る場合、プーリー及びその支点にかかる荷重はロープの角度
により変わります。
9. 一般注意事項
耐用年数 / 廃棄基準
ペツルのプラスチック製品及び繊維製品の耐用年数は、製造日
から数えて最長10年です。 金属製品には特に設けていません。
注意:極めて異例な状況においては、1回の使用で損傷が生じ、
その後使用不可能になる場合があります(劣悪な使用環境、鋭
利な角との接触、極端な高/低温下での使用や保管、化学薬品
との接触等)
以下のいずれかに該当する製品は以後使用しないで下さい:
- プラスチック製品または繊維製品で、製造日から10年以上
経過した
- 大きな墜落を止めた場合や、非常に大きな荷重がかかった
- 点検において使用不可と判断された。 製品の状態に疑問が
ある
- 完全な使用履歴が分からない
- 該当する規格や法律の変更、新しい技術の発達、また新しい
製品との併用に適さない等の理由で、使用には適さないと判
断された
使用しなくなった製品は、以後使用されることを避けるため廃棄して下さい。
製品の点検
毎回の使用前の点検に加え、定期的にPPEに関する十分な知
識を持つ人物による綿密な点検を行う必要があります。 綿密な
点検を行う頻度は、使用の頻度と程度、目的により異なります。
また、法令による規定がある場合はそれに従わなければなりま
せん。 ペツルは、少なくとも12ヶ月ごとに綿密な点検を行うこと
をお勧めします。
トレーサビリティ(追跡可能性)を維持するため、製品に付い
ているタグを切り取ったり、マーキングを消したりしないで下
さい。
点検記録に含める内容:用具の種類、モデル、製造者または販
売元の名前と連絡先、製造番号、認識番号、製造日、購入日、初
めて使用した時の日付、次回点検予定日、注意点、コメント、点
検者及びユーザーの名前と署名
点検記録の見本はwww.petzl.fr/ppeまたはPetzl PPE CD-ROM
でご覧いただけます。
持ち運びと保管
紫外線、化学薬品、高/低温等を避け、湿気の少ない場所で保
管して下さい。必要に応じて洗浄し、直射日光を避けて乾燥さ
せて下さい。
改造と修理
ペツルの施設外での製品の改造および修理を禁じます(パー
ツ交換は除く)。
3年保証
原材料及び製造過程における全ての欠陥に対して適用され
ます。 以下の場合は保証の対象外とします:通常の磨耗や傷、
酸化、改造や改変、不適切な保管方法、メンテナンスの不足、
事故または過失による損傷、不適切または誤った使用方法に
よる故障
責任
ペツル及びペツル総輸入販売元である株式会社アルテリアは、
製品の使用から生じた直接的、間接的、偶発的結果またはその
他のいかなる損害に対し、一切の責任を負いかねます。
トレーサビリティとマーキング
a. この個人保護用具の製造を監査する公認機関のID番号
b. CE適合評価試験公認機関
c. トレーサビリティ:データマトリクスコード = 製品番号 + 個
別番号
d. 直径
e. 個別番号
f. 製造年
g. 製造日
h. 検査担当
i. 識別番号