9010
9010-10
クランプオンプローブ
CLAMP ON PROBE
取扱説明書
INSTRUCTION MANUAL
October 2006 Revised edition 8 Printed in Japan
9010A980-08 06-10H
はじめに
概 要
点 検
使用前の確認
安全について
危 険
この機器は
IEC 61010
安全規格に従って、設計され、試験し、安全な状態で出荷され
ています。測定方法を間違えると人身事故や機器の故障につながる可能性がありま
す。取扱説明書を熟読し、十分に内容を理解してから操作してください。万一事故が
あっても、弊社製品が原因である場合以外は責任を負いかねます。
・使用者は、機器上に表示されている
マークのところについて、取扱
説明書の
マークの該当箇所を参照し、機器の操作をしてください。
・使用者は、取扱説明書内の
マークのあるところは、必ず読み注意する
必要があることを示します。
交流(
AC
)を示します。
危険
操作や取り扱いを誤ると、使用者が死亡または重傷につながる危険性が
極めて高いことを意味します。
警告
操作や取り扱いを誤ると、使用者が死亡または重傷につながる可能性が
あることを意味します。
注意
操作や取り扱いを誤ると、使用者が傷害を負う場合、または機器を損傷
する可能性があることを意味します。
注記
製品性能および操作上でのアドバイス的なことを意味します。
ご使用にあたっての注意
危 険
・短絡事故や人身事故を避けるため、クランプセンサは
AC600 Vrms
以下の電路で使
用してください。また裸導体には使用しないでください。
・クランプオンプロープは、必ずブレーカのニ次側に接続してください。ブレーカの
ニ次側は、万一短絡があっても、ブレーカにて保護します。一次側は、電流容量が
大きく、万一短絡事故が発生した場合、損傷が大きくなるので、測定しないでくだ
さい。
警 告
・本器をぬらしたり、ぬれた手で測定しないでください。感電事故の原因になりま
す。
・活線で測定するので、感電事故を防ぐため、労働安全衛生規則に定められているよ
うに、電気用ゴム手袋、電気用ゴム長靴、安全帽等の絶縁保護具を着用してくださ
い。
・測定前にレンジスイッチの位置を確認してください。各レンジの測定範囲を超え
る電流を長時間加えると本器を破損することがあります。
・
500 A, 1 kHz
を超える電流測定はコア部の発熱を生じ危険ですので避けてくださ
い。
注 意
・直射日光や高温、多湿、結露するような環境下での、保存や使用はしないでくださ
い。変形、絶縁劣化を起こし、仕様を満足しなくなります。
・本器の損傷を防ぐため、運搬および取り扱いの際は振動、衝撃を避けてください。
特に、落下などによる衝撃に注意してください。本器を破損します。
注記
トランスや大電流路など強磁界の発生している近く、また無線機など強電界の発生
している近くでは、正確な測定ができない場合があります。
各部の名称と機能
クランプコア
9010
安全プラグ
レンジ切換え
ロータリスイッチ
9010-10 BNC
コネクタ
交流電流(
ACA
)の測定方法
注 意
・
BNC
コネクタを引き抜くときは、必ずロックを解除してから、コネク
タを持って引き抜いてください。ロックを解除せずに無理に引っ張った
り、ケーブルを持って引っ張るとコネクタ部を破損します。
・接続機器の電源が入った状態、または測定導体をクランプした状態で、
コネクタの抜差しをしないでください。本体およびセンサの故障の原因
になります。
仕 様
測定レンジ
AC 10/20/50/100/200/500 A
出力電圧
AC 0.2 Vf.s.
(出力抵抗約
150
Ω;
10 A
レンジにおいて)
振幅確度
±
3%f.s.
(
45
~
66 Hz,
コア中心にて)
周波数特性
40
~
1000 Hz
において(
55 Hz
からの偏差)
±
6%
以内(
10/20
レンジ)
±
3%
以内(
50/100/200/500 A
レンジ)
導体位置の影響
コア内のいかなる位置においても±
2%
以内
外部磁界の影響
400 A/m
の外部磁界に対して、
1 A
相当以下
対地間最大定格電圧
AC 600 Vrms
(絶縁導体)
最大入力電流
(
45
~
66 Hz
にて)
10/20/50 A
レンジ:
150 A
連続
100/200 A
レンジ:
400 A
連続
500 A
レンジ:
650 A
連続
, 1400 A 1
分間
耐電圧
AC 5550 V 1
分間
(電気回路-コア間
,
ケース-コア間)
使用温湿度範囲
0
~
40
℃
, 80%rh
以下(結露しないこと)
保存温湿度範囲
-10
~
50
℃
, 80%rh
以下(結露しないこと)
使用場所
屋内、高度
2,000 m
まで
測定可能導体
φ
46 mm
以下または
50 mm
幅
20 mm
厚ブスバーまで可能
コード長
約
3 m
外形寸法・質量
約
74W
×
184H
×
37D mm
(突起物含まず)約
400 g
付属品
取扱説明書
1
部
適合規格
安全性
EN61010-2-032:1995
過電圧カテゴリ
III
汚染度
2
(予想される過渡過電圧
6000 V
)
EMC EN61326:1997+A1:1998+A2:2001
保守・サービス
9010, 9010-10
このたびは、
HIOKI
”
9010, 9010-10
クランプオンプローブ”をご選定いただき、誠にあ
りがとうございます。この製品を十分にご活用いただき、末長くご使用いただくためにも、
取扱説明書はていねいに扱い、いつもお手元に置いてご使用ください。
本器は
500A
定格の交流電流対応の電圧出力型クランプオンプローブです。本器は電力ラ
インを切り離すことなく、活線状態で交流電流を測定できます。また、操作、接続も簡単
なため多方面での電流測定にご使用いただけます。
本器がお手元に届きましたら、輸送中において異常または破損がないか点検してからご使
用ください。万一、破損あるいは仕様どおり動作しない場合は、お買上店(代理店)か最
寄りの営業所にご連絡ください。
・プローブの被覆が破れたり、金属が露出していないか、使用する前に確認してください。
損傷がある場合は、感電事故になるので、お買上店(代理店)か最寄りの営業所にご連
絡ください。
・使用前には、保存や輸送による故障がないか、点検と動作確認をしてから使用してくだ
さい。故障を確認した場合は、お買上店(代理店)か最寄りの営業所にご連絡ください。
■ 過電圧カテゴリ(
CAT
)について
本器は
CATIII
に適合しています。
測定器を安全に使用するため、
IEC 60664
では過電圧カテゴリとして、使用する場所によ
り安全レベルの基準を
CAT
Ⅰ~Ⅳで分類しています。概要は下記のようになります。
CAT
Ⅰ:コンセントからトランスなどを経由した機器内の二次側の電気回路
CAT
Ⅱ:コンセントに接続する電源コード付き機器(可搬形工具・家庭用電気製品など)
の一次側電路
CAT
Ⅲ:直接分電盤から電気を取り込む機器(固定設備)の一次側および分電盤からコン
セントまでの電路
CAT
Ⅳ:建造物への引込み電路、引込み口から電力量メータおよび一次過電流保護装置
(分電盤)までの電路
数値の大きいカテゴリは、より高い瞬時的なエネルギーのある電気環境を示します。その
ため、
CAT
Ⅲで設計された測定器は、
CAT
Ⅱで設計されたものより高い瞬時的なエネルギ
ーに耐えることができます。
カテゴリの数値の小さいクラスの製品で、数値の大きいクラスに該当する場所で測定する
と重大な事故につながる恐れがありますので、絶対避けてください。
■ 安全記号
この取扱説明書には本器を安全に操作し、安全な状態に保つのに要する情報や注意事項が
記載されています。本器を使用する前に下記の安全に関する事項をよくお読みください。
■ この取扱説明書で使用している記号
取扱説明書の注意事項には、重要度に応じて以下の表記がされています。
本器を安全にご使用いただくために、また機能を十二分に活用いただくために、下記の注
意事項をお守りください。
弊社記録計、テスタへ入力する場合は、
AC 0.2 V
レンジをご使用ください。
1.
安全プラグ(バナナプラグ
, BNC
コネクタ)を記録計などの入力端子に接続
してください。
BNC
コネクタの場合、
入力端子のコネクタガイド溝に合わせ、
押し込みながら右へ回してロックします。
2.
測定電流の大きさがわからないときは、大きいレンジ(
500 A
)にセットして
ください。
3.
クランプコアを開き導体をクランプしてください。
4.
コア先端接合部が確実に閉じていることを確認してください。
5.
測定値に合わせて、クランプオンプローブのレンジを切り換え、適切なレン
ジで測定してください。測定器(記録計など)側のレンジ切換えで測定しな
いでください。
注記
導体は必ず
1
本だけクランプしてください。単相(
2
本)、三相(
3
本)を同時
にクランプした場合は測定できません。
確度は
23
±
5
℃
, 80%rh
以下において
1
年間保証。
(
センサ部開閉回数:
1
万回まで
)
■ 本器のクリーニング
本器の汚れをとるときは、柔らかい布に水か中性洗剤を少量含ませて、軽くふいてくださ
い。ベンジン、アルコール、アセトン、エーテル、ケトン、シンナー、ガソリン系を含む
洗剤は絶対に使用しないでください。変形、変色することがあります。
■ サービス
・故障と思われるときは、お買上店(代理店)か最寄りの営業所にご連絡ください。
・輸送中に破損しないように梱包し、故障内容も書き添えてください。輸送中の破損につ
いては保証しかねます。