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圧電式加速度ピックアップ PV-91C

取扱説明書

単位:mm
*****は製造番号

取り扱い上の注意

製品を安全にお使いいただくために、下記のことをお守りください。

重 要

CCLD 方式に対応していない電源に接続しないでください。特に定電圧電源に接
続すると、内蔵のチャージアンプが壊れます。

• P V -91C を落下させないでください。P V -91C が破損したり、性能が劣化する場合

があります。また、取り付け面に傷が付いて周波数特性が悪くなる場合もあります。

• 使用温度範囲内でご使用ください。特に高温度では注意が必要です。使用温度範

囲を大きく超えると PV-91C が故障する可能性があります。

• PV-91C は防水構造ではないので、水の中に入れたり、高湿度環境に長時間置かな

いでください。ピックアップ内部に水が入り、絶縁低下によって性能が劣化する
ことがあります。

• P V -91C にゴミ・汚れが付着しないよう気を付けてください。汚れを取り除く場

合は、乾いたやわらかい布、またはぬるま湯で良く絞った布を使用してください。

• PV-91C 本体の中心コンタクトに針金、金属片などを押し込まないでください。
• 水やほこりのかかる場所や高湿度環境下での保管はしないでください。また、塩

分・硫黄分・化学薬品・ガスなどにより悪影響を受ける恐れのある場所での使用
や保管はしないでください。

• コードを取り外すときは、コードを持って引き抜くなど無理な力を掛けないで、

必ずプラグを持って外してください。

• 分解・改造はしないでください。
• ピックアップを振動体に取り付けると、ピックアップの質量が振動体に付加され

るので、振動モードが変化します。振動体の質量がピックアップの質量に対し
て 10 倍以上の場合には振動体の共振周波数の変化は 5%以下でほぼ無視できま
す。P V -91C の質量は 1.8 g ですので、測定対象となる振動体の質量は最小値で
18 g を目安にしてください。

• 故障、点検および修理の場合は、販売店または当社サービス窓口までご連絡ください。
• PV-91C を廃棄する場合は、国および地方自治体の法律、条例に従ってください。

5.9

12

.5

8.1

3.8

φ

7

φ

6.7

7

10.1

M3

 深さ

2

概 要

圧電式加速度ピックアップ P V -91C は、環状シェアタイプのエレメントと C C L D
方式( 定電流駆動方式)のチャージアンプを内蔵した小型圧電式加速度ピックアップ
であり、170℃までの温度環境においても加速度の検出が行えます。受感軸は 1 軸
で、軸方向は取り付け面に対する鉛直方向になっています。測定対象物への取り付
け方法は、ねじ止め( 標準取り付け方法)、付属の絶縁アタッチメント V P -53W を
介しての接着固定、両面テープなどがあります。付属の加速度ピックアップ用コー
ド V P -51L C、別売品の加速度ピックアップ用コード V P -51L / 耐熱ローノイズコー
ド VP-51LB が接続されます。

特徴

• C C L D 入力を持つ振動計や分析計、データレコーダなどの機器に接続して使用で

きます。

• (当社比)従来の CCLD 方式のピックアップより広い温度範囲(‑50〜170℃)で振動

測定が行えます。

• 小型、軽量のため、測定対象物へのピックアップ質量の影響が小さく、軽量構造

物の振動測定やモード解析など、幅広く使用できます。

ピックアップと測定器類との接続

PV-91C と測定器類を付属のコア付き加速度ピックアップ用コード VP-51LC で接続し
ます。測定器側が BNC コネクタの場合は、別売品の BNC アダプタ VP-52C を介して
接続できます。P V -91C と V P -51L C を接続する際には、V P -51L C のコネクタの中心
コンタクトを PV-91C のコネクタの中心コンタクトに真っ直ぐ挿入して、VP-51LC の
接続リングをまわして締め付けてください。中心コンタクトが挿入されていなかった
り曲がった状態で接続リングを締め付けるとコネクタを破損させる場合があります。
VP-51LC の中心コンタクト周囲にはシリコンシートがはめ込まれています。PV-91C
と接続した際の密封性向上やがたつき防止に効果がありますが、使用温度範囲の上
限または下限付近の温度に長時間さらすと、まれにシリコンシートが変質し、密封
性やがたつき防止効果が劣化することがあります。シリコンシートが変質した場合は、
シートの交換をお勧めします。販売店または当社サービス窓口までご連絡ください。
P V -91C や V P -51L C のコネクタは汚さないように注意してください。汚れると、接
触不良などが発生し、測定に支障をきたす場合があります。万一汚れた場合はアル
コールなどで汚れを拭き落とした後、よく乾燥させてください。

加速度ピックアップ用コードの取り扱い

振動測定の際、付属のコア付き加速度ピックアップ用コード V P -51L C が変形、振動
および共振により断線する場合があります。P V -91C からできるだけ近い箇所で、粘
着テープなどを用いて V P -51L C を測定対象物に固定し、断線から V P -51L C を保
護することをお勧めします。また、ピックアップ用コードはコネクタの根元部分に
ストレスが集中しやすく、ストレスが加わり続けることで断線することがあります。
この部分には屈曲などの力が掛からないように、ご注意ください。

測定対象物への取り付け方法

標準取り付け方法(VP-53K を用いた取り付け)

取り付け手順

1.  測定対象物に P V -91C を取り付けるため、M3  P =0.5 のネジ穴を開けます( 有効深

さ 3.5〜4 mm)。

2.  付属の六角棒レンチで M3 ネジ V P -53K を P V -91C に入れて軽く締めます( 0.1〜

0.4 N・m)。

3.  PV-91C を測定対象物に取り付けます。

4.  付属の片口スパナで締め付けます(締め付けトルク約 0.5 N・m)。

5.  付属のコア付き加速度ピックアップ用コード VP-51LC をピックアップに取り付けます。

P V -91C と測定対象物を強く完全に密着させて固定することが重要です。ピックアッ
プ取り付け面に凸凹があると周波数特性が乱れる場合があります。取り付けると
きは滑らかな部分を選択するか、取り付け面を平らに仕上げてください。また、測
定対象物にネジ穴を開ける際、タップが斜めに立っていると密着性が悪く、周波数
特性が乱れることがあります。
付属の M3 ネジ以外は使用しないでください。強度不良や締め付け不良などで所定の
特性が出ない場合があります。

絶縁アタッチメント(VP-53W)を用いた取り付け方法

P V -91C のケース( グランド)と測定対象物の取り付け面との間に電位差があると、グ
ランドラインに電流が流れ、動作が不安定になったり、ノイズが発生することがあ
ります。このような場合には付属の絶縁アタッチメント V P -53W を使用します。ま
た、測定対象物にネジ穴が無い場合にも V P -53W を使用して接着固定します。ただし、
V P -53W を使用する場合、使用温度上限は 160℃となります。160℃より高い温度環境
で使用すると、VP-53W 表面の絶縁層に微細なひびが入ることがあります。

取り付け手順

1.  PV-91C に VP-53W を取り付け、付属の片口スパナで締め付けます( 締め付けトル

ク約 0.5 N・m)。

2.  良好な接着性を確保するために、必要に応じて測定対象物の表面の汚れを取ります。

また、VP-53W の接着面も同様に表面の汚れを取ります。

3.  測定対象物に接着剤などを用いて接着します。接着および剥離に関しては接着剤な

どの取扱説明書に従ってください。

4.  接着剤が固まった時点で VP-51LC を取り付けます。

VP-53W を加工したり傷をつけたりしないでください。絶縁が保証できなくなります。

PV-91C

VP-53K

(付属品)

(付属品)

VP-53W

ネジ加工

M3 P=0.5
D=3.5~4

接着面

外形・寸法

PV-91C

本体

VP-51LC

粘着テープ

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