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サスペンションセッティングガイド
SV-10 アルシオンは、様々な走行状況に合わせて安定した走行性能を発揮するよう、いくつかの調整箇所を設けてあります。始めて走行する場合など、
セッティングを決めかねる場合は基本セットを下記に示しましたので参考にしてみてください。
車全体の特性は一つの調整箇所だけで決定しているわけではなく、いろいろな要素がからみ合って全体として成り立っています。それゆえ、決して簡単
なことではありませんが、根気よくやりましょう。また、セッティングではこれでないダメということはありません。ひとりひとりの好みもありますので、
いろいろと試してみて下さい。
フロントキャンバー=-1゜
リヤキャンバー=-2゜
フロントスキッド角=2゜
リヤスキッド角=1゜
◎基本セット
トー角:0 mm
●スキッド角の調整
EZスキッドアジャストシステムは、簡単かつ正確にスキッド角を変更できることができるうえ、高精度削り出しバルクヘッドとあいまって優れた耐久性を
もかね備えた画期的なシステムです。
駐車場や仮設サーキットのような起伏の多い路面では、ギャップ走破性を良くするためにフロント4゜、リヤ2゜にします。また、カーペットのような平
らな路面では、車の挙動を安定させるためにフロント0゜、リヤ0゜にします。さらに、コーナーリング中にリヤがブレイクする(急にグリップを失う)よう
な場合にはリヤのスキッド角を大きくした方が、リヤのグリップを確保できます。
●ボールデフの調整
FD(Floating Disc )ボールデフの特長は、デフリングがボールとさらバネの中間にあり、デフリングの自由度が大きいことです。これにより、デフリング
の片あたりを最小限に抑えることができ、安定した滑らかな効きを実現します。
さて、そのFDボールデフの調整ですが、一度デフを確実に組んでください。そして2mmキャップビスをねじ込んでいき、デフが効き始めてからさらに約
1/2回転ほど締めてください。なお、デフの効き始めとは、デフプーリを固定した時に左右のデフカップが逆回転する状態になることです。このときデフが
空回りしているようでしたら、デフリングとデフカップの切り欠きが合っていないので、再度組み直してください。
●ホイールベースの変更
SV-10アルシオンは、簡単な工作でホイールベースを±3mm変更できるようになっています。通常はカットする必要はありません。
ホイールベースを変更させるには、サスペンションアームの根本部分を切り欠きに沿ってカットして寄せたい方を短くし、かわりに反対側にスペーサーを
入れます。スペーサーは付属のもの(ランナー番号:C-6)を使用してください。なお、工作には十分に注意してください。
●ロールポイントの変更
ダンパーステーに取り付けているカラー(ランナー番号:B-4)の向きをひっくり返し、まわり止めと3×25mmサラビスの穴を逆にします。ロールセンター
が高くなり、ロール剛性が高まります。
●キャンバー角の調整
キャンバー角の調整はターンバックルを回して行います。適度なキャンバー角をつけることにより、コーナーリングで車体がロールした時に外輪の接地面
積が確保でき、コーナーリングフォースを得やすくなります。しかし、あまり大きくしすぎると直進安定性が悪くなります。タイヤが内外で均等に減るよう
にセットしてください。コーナーリング中にリヤがブレイクするような場合にはリヤのキャンバーを大きめにセットしてみてください。
●最低地上高の調整
最低地上高の調節はオイルダンパーのダンパースペーサを交換して行います。
まずは、フロントに1mm(ランナー番号:6A)を、リヤに1mm(ランナー番号:6A)をそれぞれセットしてみてください。
●リバウンド量の調整
リバウンド量を増やすにはにはダンパーシャフトのアジャスタをゆるめて行います。グリップの低い路面ではリバウンド量を増やした方がコーナーリング
での限界が高まり、車が安定します。
●スプリングとダンパーオイルに関して
キットにはセッティングのとれているスプリングが入っています。それに合わせてダンパーのかたさもダンパーピストンをフロントとリヤで変えてありま
す。よって、フロント、リヤともに共通のダンパーオイルを使用しても、バランスがとれたセッティングになります。。
キットには300番のシリコンオイルが付属していますが、路面温度が高い場合などに車が跳ねるようでしたらフロント、リヤともに400番のダンパーオイ
ルに変更してみてください。また、オプションのSV-55 セッティングスプリングセットを使用すると、セッティングの幅が広がります。
一般的には、ダンパースプリングをかたいものに変更した場合は、ダンパーの効き具合もかたくします。
●トー角の調整
トー角の調整はターンバックルを回して行います。
トー角はトーインにするとクイックなステアリングになり、トーアウトにするとマイルドなステアリング特性になります。ただし、どちらの場合もあまり
大きくつけすぎると、走行抵抗が大きくなります。最初は、0もしくはややトーアウト気味にしてみてください。(リヤのトー角は-1゜になっています。)
スキッド角
トータルのキャスター角
ギャップ走破性
ステアリング特性
ピッチング特性
フロント
0゜
2゜
4゜
0゜
1゜
2゜
3゜
5゜
7゜
0゜
1゜
2゜
△
○
◎
△
○
◎
小
中
大
大
中
小
クイック
ノーマル
マイルド
クイック
ノーマル
マイルド
リヤ
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