9298
クランプオンセンサ
CLAMP ON SENSOR
取扱説明書
/ Instruction Manual
2015
年
9
月 改訂
10
版
Printed in Japan
9298A980-10 15-09H
9298
はじめに
概 要
点 検
使用前の確認
安全について
危 険
この機器は
IEC 61010
安全規格に従って、設計され、試験し、安全な状態
で出荷されています。測定方法を間違えると人身事故や機器の故障につな
がる可能性があります。また、本器をこの取扱説明書の記載以外の方法で
使用した場合は、本器が備えている安全確保のための機能が損なわれる可
能性があります。
取扱説明書を熟読し、十分に内容を理解してから操作してください。万一
事故があっても、弊社製品が原因である場合以外は責任を負いかねます。
注意や危険を示します。機器上にこの記号が表示されている
場合は、取扱説明書の該当箇所を参照ください。
交流(
AC
)を示します。
二重絶縁または強化絶縁で保護されている機器を示します。
活線状態の電路に着脱できることを示します。
危険
操作や取扱いを誤ると、使用者が死亡または重傷につながる危
険性が極めて高いことを意味します。
警告
操作や取扱いを誤ると、使用者が死亡または重傷につながる可
能性があることを意味します。
注意
操作や取扱いを誤ると、使用者が傷害を負う場合、または機器
を損傷する可能性があることを意味します。
注記
製品性能および操作上でのアドバイス的なことを意味します。
ご使用にあたっての注意
危 険
・短絡事故や人身事故を避けるため、クランプセンサは
AC 300 Vrms
以下
の電路で使用してください。
・クランプセンサは、必ずブレーカの二次側に接続してください。ブレー
カの二次側は、万一短絡があっても、ブレーカにて保護します。一次側
は、電流容量が大きく、万一短絡事故が発生した場合、損傷が大きくなる
ので、測定しないでください。
警 告
・本器をぬらしたり、ぬれた手で測定しないでください。感電事故の原因
になります。
・活線で測定するので、感電事故を防ぐため、労働安全衛生規則に定められ
ているように、電気用ゴム手袋、電気用ゴム長靴、安全帽等の絶縁保護具
を着用してください。
・測定範囲を超える電流を長時間入力しないでください。本器を破損する恐
れがあります。
注 意
・ジョー先端部に異物等を挟んだり、ジョーの隙間に物を差し込んだりし
ないでください。センサ特性の悪化、開閉動作不具合の原因になります。
・直射日光や高温、多湿、結露するような環境下での、保存や使用はしない
でください。変形、絶縁劣化を起こし、仕様を満足しなくなります。
・本器の損傷を防ぐため、運搬および取扱いの際は振動、衝撃を避けてくだ
さい。特に、落下などによる衝撃に注意してください。本器を破損しま
す。
・使用しないときは、ジョーを閉じておいてください。開いたままの状態
にしておくと、ジョーの突き合わせ部にゴミやホコリが付着し、故障の
原因になります。
注記
トランスや大電流路など強磁界の発生している近く、また無線機など強電
界の発生している近くでは、正確な測定ができない場合があります。
各部の名称と機能
ジョー
ケーブル
フェライトコア
BNC
コネクタ
ロックツマミ
測定方法
注 意
・
BNC
コネクタを引き抜くときは、必ずロックを解除してから、コネクタ
を持って引き抜いてください。ロックを解除せずに無理に引っ張った
り、ケーブルを持って引っ張るとコネクタ部を破損します。
・接続機器の電源が入った状態、または測定導体をクランプした状態で、コ
ネクタの抜差しをしないでください。本体およびセンサの故障の原因に
なります。
電流方向表示マーク
負荷側へ向ける
電源側(
SOURCE
)
電線
負荷側(
LOAD
)
レバー
仕 様
確度保証条件
確度保証期間
:
1
年間
調整後確度保証期間:
1
年間
ジョー部開閉回数 :
1
万回まで
*3166
、
3168
クランプオンパワーハイテスタとの組み合
わせによる。
確度保証温湿度範囲:
23
℃±
5
℃,
80% rh
以下
定格一次電流
AC 100 A
定格二次電流
AC 100 mA
二次電流振幅確度 ±
0.5 % rdg.
±
0.2 %f.s.
(
f.s.
は
3166
、
3168
の各レンジ
とする)(
45
~
66 Hz,
ジョー中心にて)
二次電流位相確度 ±
1
°以内(
45 Hz
~
5 kHz
)
振幅周波数特性
(確度からの偏差)
40 Hz
~
5 kHz
±
1%
以内
外部磁界の影響
約
0.1 A
(
400 A/m
の交流磁界にて)
導体位置の影響
±
0.5%
以内
最大入力電流
45
~
66 Hz
において
130 A
連続(周囲温度
50
℃)
耐電圧
AC 4290 V rms 1
分間
(ジョー
-
手持ち部間、ジョー
-
出力コネクタ間)
対地間最大定格
電圧
AC 300 V rms
以下
使用温湿度範囲
0
~
50
℃、
80% rh
以下(結露しないこと)
保存温湿度範囲
-10
~
60
℃、
80% rh
以下(結露しないこと)
使用場所
高度
2,000 m
まで、屋内
適合規格
安全性
EN61010
測定カテゴリⅢ、汚染度
2
(予想される過渡過電圧
4000 V
)
EMC
EN61326
測定可能導体径
φ
15 mm
コード長
約
3 m
外形寸法
約
46W
×
135H
×
21D mm
質量
約
230 g
付属品
取扱説明書
1
部、マークバンド
6
個(
3
組)
保守・サービス
このたびは、
HIOKI
9298
クランプオンセンサ をご選定いただき、誠にありが
とうございます。この製品を十分にご活用いただき、末長くご使用いただくため
にも、取扱説明書はていねいに扱い、いつもお手元に置いてご使用ください。
本器は
100A
定格の交流電流対応の電流出力型クランプオンセンサです。本器
は電力ラインを切り離すことなく、活線状態で交流電流を測定できます。また、
操作、接続も簡単なため多方面での電流、電力測定にご使用いただけます。
(
弊社クランプオンパワーハイテスタ
3166
、
3168
用
)
本器がお手元に届きましたら、輸送中において異常または破損がないか点検し
てからご使用ください。万一、破損あるいは仕様どおり動作しない場合は、お買
上店(代理店)か最寄りの営業所にご連絡ください。
・使用前には、保存や輸送による故障がないか、点検と動作確認をしてから使用
してください。故障を確認した場合は、お買上店(代理店)か最寄りの営業所
にご連絡ください。
・ケーブルの被覆が破れたり、金属が露出していないか、使用する前に確認して
ください。損傷がある場合は、感電事故になるので、お買上店(代理店)か最
寄りの営業所にご連絡ください。
■ 安全記号
この取扱説明書には本器を安全に操作し、安全な状態に保つのに要する情報や
注意事項が記載されています。本器を使用する前に下記の安全に関する事項を
よくお読みください。
■ この取扱説明書で使用している記号
取扱説明書の注意事項には、重要度に応じて以下の表記がされています。
■ 測定カテゴリについて
本器は
CATIII
に適合しています。
測定器を安全に使用するため、
IEC61010
では測定カテゴリとして、使用する場
所により安全レベルの基準を
CAT
Ⅱ~
CAT
Ⅳで分類しています。
CAT
Ⅱ:コンセントに接続する電源コード付き機器(可搬形工具・家庭用電気
製品など)の一次側電路
コンセント差込口を直接測定する場合は
CAT
Ⅱです。
CAT
Ⅲ:直接分電盤から電気を取り込む機器(固定設備)の一次側および分電盤
からコンセントまでの電路
CAT
Ⅳ:建造物への引込み電路、引込み口から電力量メータおよび一次側電流
保護装置(分電盤)までの電路
カテゴリの数値の小さいクラスの測定器で、数値の大きいクラスに該当する場
所を測定すると重大な事故につながる恐れがありますので、絶対に避けてくだ
さい。
カテゴリのない測定器で、
CAT
Ⅱ~
CAT
Ⅳの測定カテゴリを測定すると重大な
事故につながる恐れがありますので、絶対に避けてください。
本器を安全にご使用いただくために、また機能を十二分にご活用いただくため
に、下記の注意事項をお守りください。
測定電流と出力電流の位相を同位相にするため、ジョーに表示されている電流
方向表示マークの矢印が負荷側に向くようにして、ほぼ中央にクランプします。
先端が確実にかみ合わさっていることを確認してください。
1.
レバーがロックされている場合は、解除してください。
2. BNC
コネクタを、
3166
、
3168
電流入力端子のコネクタ・ガイド溝に合わせ、
押し込みながら右へ回してロックします。
3.
レバーを押しながらスライドさせ、導体をクランプしてください。
導体は
1
本だけ、ほぼ中央にクランプしてください。
4.
ジョー先端の接合部が確実に閉じていることを確認します。
5.
ロックツマミをスライドさせ、ロックします。
■ 本器のクリーニング
本器の汚れをとるときは、柔らかい布に水か中性洗剤を少量含ませて、軽く拭い
てください。
■ サービス
・故障と思われるときは、お買上店(代理店)か最寄りの営業所にご連絡くださ
い。
・輸送中に破損しないように梱包し、故障内容も書き添えてください。輸送中の
破損については保証しかねます。